このアルバムはロマンスの事がメインではなく、波乱万丈な現代を歌ったものが多い。このアルバムではまた、スチュアート・マシスの素晴らしいギターワークを採用。多くのアメリカ人のように、彼女はドナルド・トランプがアメリカを煙に巻いて自らの王国を作り上げようとしている事実に拒否感を表している。明確に名指ししてはいないものの、彼女のトラック「Man Without a Soul(魂のない男)」のインスピレーションの素になったのは明らかにドナルド・トランプだろう。
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プラインは1972年のデビュー以来、強い人気を誇り、彼の世代では最高のソングライターと呼ばれつつも、チャートインするヒットを出したことはなかった。彼のキャリアは非常にユニークなルートを辿っている。14歳でギターを始めた後、軍隊に所属し、ドイツでメカニックとして働き、その後シカゴで郵便局員となり、そこでオープン・マイク(飛び入りスタイル)のライブに参加していた。彼を最初に発見し、メジャーなレコーディングをさせたのは、高名な映画評論家のロジャー・エバートが、映画館の後にフラッと立ち寄ったバーでプラインの演奏を見て、映画よりもプラインのことについて書いたのがきっかけだった。クリス・クリストファーソンは初期からのファンで、ニューヨーク市でのライブの前座としてプラインを起用。その場でレコード会社重役のジェリー・ウェクスラーに見出され、翌日にはアトランティック・レコードで契約に至る。プラインのサウンドは、どちらかというとロックというよりフォークだが、FMラジオにたびたび取り上げられる。彼はその意味深く、素朴で、ユーモラスな歌詞からマーク・トゥウェインやボブ・ディランと並び称されることが多い。実際、ボブ・ディランも初期からのプライン・ファンだ。ジョニー・キャッシュも同じく初期からのファンで、プラインの曲のカバーを何度もレコーディングしている。多くの歌手が彼の曲をカバーしていて、まだゲイの発展場でバリー・マニローをピアノに歌っていたベット・ミドラーや、モーターサイクル・ギャング(アメリカ式暴走族)のメンバーで刑務所にも服役した、アウトロー・カントリー歌手のデイヴィッド・アラン・コーなど。ロジャー・ウォーターズは最初ファンだったが友人となり「Hello In There」のコピーを何度もライブで披露している(彼はプラインの「Sam Stone」の部分部分を、ピンクフロイドの「The Post War Dream」に使ったりもしている)。ボニー・レイットは「Angel From Montgomery」を録音した30人以上の歌手のうちの1人で、レイットバージョンは大人気となった。プラインのアルバムは、流行を追うことなかったため大きく売れなくとも、着実に販売実績を重ねた。それぞれのアルバムにきちんと良い歌が録音されていた。ファンの間でも、ブルーグラス・サウンドの強い2枚目のアルバム『Dioamonds in the Rough』と6枚目のロカビリー風アルバム『Pink Cadillac』は混同されることが多い。プラインはメジャー・レーベル・システムと合わず、1981年には自分のレーベル、オー・ボーイ!を立ち上げた。その後、共作を始め、ボビー・ブラドック、ダン・ペン、スプーナー・オールダム、ドニー・フリッツ、ブラック・キーズのダン・オーバック、シェル・シルヴァーステインやボビー・ウィットロックらとコラボした。2016年に彼はトップの女性カントリーシンガーらとデュエットアルバム『For Better, or Worse』を制作。2018年のアルバム『The Tree of Forgiveness』は、セールスとしては15万枚とそこそこの売り上げだったにもかかわらず、ビルボードチャート5位になった。2020年にはグラミーの特別厚労賞生涯業績賞を受賞。彼の死後、彼の曲の多くが北米アップル・チャートにランクインした。彼がアイリス・ディメントとデュエットした「In Spite of Ourselves」が一番人気のようだ。
9月4日、ディズニーがビートルズのドキュメンタリー映画を北米とカナダでリリースする。日本でのリリース日程は未発表。映画のタイトルは『The Beatles: Get Back』で、『指輪物語』3部作、『ホビット』3部作で最も知られるピーター・ジャクソンがプロデュース。この映画には「レット・イット・ビー」のレコーディング・スタジオの様子など、未発表のフィルムがかなりの量で使われているという。ポール、リンゴ、オノ・ヨーコやオリヴィア・ハリソンの協力で作られた。
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ジャズ・トランペットのウォレス・ルーニーもコロナウイルスにより59歳で死去した。彼はクラーク・テリー、ディジー・ガレスピーやマイルス・デイビスに学び、デイビスの弟子でもあった。彼は4歳で完璧な音感を持っている事がわかり、すぐ音楽の勉強を始めた。15歳でプロとしての最初のレコーディングを行い、16歳でシダー・ウォルトンのバンドに参加する。トニー・ウィリアムズやアート・バークレーらとの共演を経て名前を知られるようになり、引っ張りだことなった。彼個人の名義で、ミューズ、コンコード、ワーナー・ブラザーズなど多くのレーベルからアルバムも発売している。1994年、アルバム『A Tribute to Miles』に参加した事でグラミー賞を受賞した。
先週、コロナウイルスで陽性が出ていたパワー・ポップ・グループ、ファウンテンズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャーが享年52歳で逝去した。彼は2003年の大ヒットソング「Stacy’s Mom」のファウンテンズ・オブ・ウェインのメンバーとして最もよく知られてはいたが、ソロプロジェクトでもエミー賞、グラミー賞を獲得、トニー賞やゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた。彼がトム・ハンクスの映画『That Thing You Do!』の劇中バンド、ワンダーズの曲として書いた映画のタイトルソングはさらに知られているかもしれない。アダムの友人、マイク・ヴィオラが歌っている。また、彼はゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツやモンキーズら、数々のアーティストのプロデュースも手掛けていた。彼の書いた曲は、ジョナス・ブラザーズや、ケイティ・ペリー、アメリカ・ボーリング・フォー・スープ、クリック・ファイブらに歌われている。
その後、彼はロンドンに移住し、ギタリストのジェイク・フッカーやドラマーのポール・バーリーとアローズを結成。プロデューサーに著名なミッキー・モースト(アニマルズ、ハーマンズ・ハーミッツ、ザ・ヤードバーズを手掛ける)を迎えた。彼らはUKで、ヒットメーカーの作曲家デュオ、チャップマン・チンが作り、トップ10となった「Touch Too Much」を数えると、3度チャート入りヒットを飛ばしている。この曲はのちにローマン・ホリディ、ヘローやロンドン・カウボーイズらがカバー。しかし、彼の人生で最大のヒットとなったのは、彼とフッカーが共著したB面用の曲、「I Love Rock’n’Roll」だった。ジョアン・ジェットはアローズがこの曲を演奏するのを、1976年、ランナウェイズとのツアー中にテレビで見た。彼女は1981年にこの曲をソロシングルとして発表し、全米チャート1位に7週に渡り輝くことになった。2002年にはブリトニー・スピアーズがバージョン違いで録音し、2011年にはラルク・アン・シエルが別のバージョンをカバーしてペプシのCMに起用された。スーパーフライは、2015年にカバーを発売したが、その時のギタリストはアーロンだった。ウィアード・アル・ヤンコヴィックはパロディ・バージョンを録音、タイトルも「I Love Rocky Road」に変えた。ジョアン・ジェットのバージョンは、繰り返し様々な映画に起用されている。
ジャズピアニストのマッコイ・タイナーが81歳で逝去。タイナーはマイルストーンやブルーノートから多くのアルバムを発表し、フレディ・ハバードやジョー・ヘンダーソン、ウェイン・ショーターらビッグネームともレコードを発表。さらに、ジョン・コルトレーンのバンドの支柱としてマスターピースと呼ばれる「A Love Supreme」をレコーディングしたことで非常に名高かった。
パパ・グロウズ・ファンクのドキュメンタリー映画『Do U Want It?』が、15のフィルム・フェスティバルへの出品の後、アップルTV、グーグル・プレイ、アマゾン、DVDで提供される。パパ・グロウズ・ファンクは伝説的なニューオリンズのバンドで、メイプル・リーフ・バーで長いこと演奏を担当していた。リーダー、ジョン・”パパ”・グロス率いるギタリストのジューン・ヤマギシ、サックス奏者のジェイソン・ミングルフドルフ、ベーシストのマーク・ペロ、ドラマーのジェフリー・”ジェリービーン”・アレグザンダーがメンバーとして活躍した。バンドは2013年に「無期限の休暇」に入ったが、メンバーは個々に活躍を続けている。グロスはリトル・フィートにビル・ペインの代役で入ったり、ドクター・ジョンのトリビュートをソロで行う他、ファンク・オン・ダ・テーブルのメンバーとして活動(ここにはジューン・ヤマギシ、ドラマーのニッキー・グラスピー(ビヨンセやダムスタファンクとの共演で知られる)、また日本からベースにケンケンも参加)。ファンク・オン・ダ・テーブルは3月に日本公演を開催、13日に下北沢ガーデンで、また京都や名古屋でのライブも決定している。
チェコ生まれのアメリカ人ミュージシャン/ソングライター/映画製作者のアイヴァン・クラールが71歳で他界した。アイヴァンはニューヨークのグラム・ロックバンド、ルーガーでキャリアをスタート。その後短期間ショーン・キャシディのバンドやブロンディとの共演を経て、ベーシストとしてパティ・スミス・グループのオリジナルメンバーとなった。最初の5枚のアルバムに出演、「Ask The Angels」「Ain’t It Strange」「Pumping (My Heart)」や「Dancing Barefoot」など多くの人気曲を共作している。また、彼はアメリカに渡って以来ニューヨークのロックシーンをスーパー8ミリで記録、時代を代表するパンクバンドの多くを記録していた。のちに映画『The Blank Generation』として発表した。他にも、パティ・スミスとの共演期間も記録している。1981年にイギー・ポップのバンドに参加、アルバム『Soldier』から共作もしていた。
80年代のオルタナ・ロックバンド、ザ・サイケデリック・ファーズが29年ぶりに新譜『Made of Rain』をリリースした。リチャード(ヴォーカル)とティム(ギター)・バトラー兄弟を中心に活躍するこのUKバンドは「Love My Way」「Heaven」や、1986年、ジョン・ヒューの同名映画に使われた「Pretty In Pink」など、多くのヒット曲を生んだ。1992年に一度解散したが、2000年に再結成し、新曲無しでツアー活動を続けていた。
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インディーズのディオの女性シンガー、カルミックの昨年リリースしたシングル「Higher Self」がこのところチャートを登っている。この曲は最初にサムスンのテレビコマーシャルに起用され、多くの視聴者を得た。その後、HBOテレビが、ジュード・ロウ主演のドラマ「The New Pope」のエンディングに使用し、スポティファイでプレイ数を増やしている。彼女たちはロサンゼルスをベースに活動しているが、北米よりもヨーロッパで人気だ。ヨーロッパツアーは3度行っていて、ドイツ、オーストリア、イギリス、スウェーデンなどを回っている。要チェックの2人組だ。
マイク・ヴィオラは日本向けのベストアルバム『Introducing…』を1月22日にソニーからリリースする。マイク・ヴィオラは、ボストンを拠点に活躍したバンド、キャンディ・ブッチャーズのリーダーとして活躍。彼らはメジャー・レーベルからアルバムもリリースした。その後ヴィオラはソロ活動を開始、よくビートルズを引き合いに出される少し変わったポップ・ソングをリリースし、世界中にファンを獲得している。多くのコラボレーションも手がけ、ファウンテンズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャーとはプロジェクト・バンドのアイヴィも結成。シュレシンジャーはトム・ハンクスの映画『That Thing You Do』の主題歌(タイトル同じ)を作曲、ヴィオラにこれを歌うよう依頼した。この曲は世界的大ヒットとなり、日本のポップ・パンクバンドのシャカラビッツが自分たちのテーマソングとして採用した。マイクはまた、多くの映画サントラに参加、その中で最も知られているのはラッセル・ブランド主演のロック・コメディ『Get Him To The Greek(邦題:伝説のロックスター再生計画!)』のサントラだ。収録曲「Furry Walls」はカルト的な人気を誇り、ハンソンにカバーされている。ヴィオラはまた、パニック・アット・ザ・ディスコや、ライアン・アダムス、マンディ・ムーア、シャナイア・トゥエイン、ヴルフペックやレイチェル・ヤマガタのために作曲(または共作)している。今回ソニーからリリースされるベストでは彼のソロ作品に着目、日本のインディーズレーベルから出版されているアルバムからもいくつか採用し、未リリースのトラックも含まれている。
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