モントレー・ポップ・フェスティバル50が、1967年の画期的なフェスティバルから50年をかけて復活、トップ・アーティスト達が忘れられないステージを行い、大きな成功を収めた。
土曜日夜の主役は、自身の名曲のメドレーを歌って驚きのステージを見せたジャック・ジョンソンだ。彼の出番のはじめには、彼の直前に出演していたノラ・ジョーンズが、ボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」のデュエットを歌うために戻ってきたり、後にはMy Morning Jacketのジム・ジェームスがビートルズの「Rocky Raccoon」のカバーで参加。その何曲か後に、G.Loveとドノヴァン・フランケンレイター(ジョンソンの前に、シスコ・アドラーとジャムタウンとして演奏)が、ジャックがまだ無名だった1999年に(ジャックのデビューは2001年)G.Loveが歌い、ジャックが有名になるきっかけになった「Rodeo Clowns」を含む何曲かに参加。ジャック・ジョンソンは、彼の妻、キムの出身地でもあるモントレーとは特別な縁があり(キムとジャックと、キーボード・プレイヤーのザック・ギルはUCサンタ・バーバラで出会っている)大学時代から何度も訪れている。彼のラブソング「Same Girl」にはモントレーが出てくるほどだ。
土曜日の昼間には、北カリフォルニアのヒーロー、ジャッキー・グリーンが明るいステージで好評を博した。彼のファンは西海岸に多く、グレートフルデッドの一味と目されている。彼は会場のほど近く、モントレー・カウンティの、サリーナスという町で生まれ育った。彼が言うには、最初のモントレー・ポップ・フェスティバルには彼の母親が観客として参加していて、当時チケットが3ドルしかしなかったにもかかわらず、フェンスを乗り越えて忍び込んだという。
他にも観客の大きな歓声を受けていたのは、ニューアルバム『Prayer for Peace』の曲を披露し、オールマン・ブラザーズと何曲もジャムしてディッキー・ベッツの曲「In Memory of Elizabeth Reed』を、ベッツの息子のデュアンと演奏したノース・ミシシッピ・オールスターズだった。

7月28日、アリス・クーパーが海外の古い友人達とニューアルバム『Paranormal』を発売する。このアルバムには、オリジナルのバンドメンバー、ベーシストのデニス・ダナウェイ、ギタリストのマイケル・ブルース、ドラマーのニール・スミスと、故グレン・バクストンの代わりに近年のギタリストライアン・ロクシーが参加してた「Genuine American Girl」と「You And All Of Your Friends」の2曲が収録されている。
アリス・クーパーのキャリアは長く、成功したバンドだが、多くのファンは初期のハード・ロックの時代が一番だという。3人のオリジナルメンバーが今年のツアーに参加、1971年から46年ぶりにイギリスでのツアーを行う予定。

日本のシンセ・グループ、クリスタルが、新曲「君はモンスターfeat.Matias Aguayo」のシングルとビデオをリリースした。この曲とビデオには、チリのアーティスト兼俳優で、ドイツのカリスマバンドKompaktとのプロジェクトや、南米のレーベルComemeで知られるマティアス・アグアーヨを起用している。彼はまた、Battlesの「Ice Cream」のヴォーカルで有名だ。
クリスタルは、これ以前にもIkonikaをゲスト・ヴォーカリストに迎え、フランスのテクノ・プリンスPara One、ドイツのプロデューサー兼DJのBoys Noizeとコラボレーションしたトラック「Dream Incubation」がある。カルト的な人気があり、ファンには海外のミュージシャンや批評家を含み、英国のガーディアン紙やウェブサイトKonbiniなどで高い評価を得ている。先週末はバルセロナのソナーフェスティバルで演奏、秋には新しいアルバムをリリースする予定だ。

ロードのセカンドアルバム「Melodrama」が、リードシングルの「Green Light」がデビュースマッシュヒットの「Royals」を超えられていないものの、メディアで好評をはくしている。ロードは現在20歳の若さで、世界的なスマッシュヒットを飛ばし、2016年の英国アワードでのデヴィッド・ボウイのカバー「Life on Mars」は高い評価を受け、映画『Hunger Games』のサントラではリード曲を歌い、アメリカの超有名TV番組「Saturday Night Live」にも出演している。
アルバム『Melodrama』のサポートとして、すでにヨーロッパ、オセアナ地方(オーストラリアとニュージーランド)、そして北米で、2018年3月までの長期ツアーが予定されている。このツアーは、フジロックの日曜日、グリーンステージのスロットの後に開始される。

スロウダイヴが22年ぶりに4作目のアルバムをリリースした。このバンド名をタイトルにしたアルバムは、高い評価を得ている。ピッチフォークは10点中8.6点をアルバムに付け「このバンドの作品の中でも最高のシューゲーズ」と評している。コンシクエンス・オブ・サウンドは「彼らのファンが、カムバックに際して必要なほぼすべてを揃えてきた。親しみやすさ、革新と、音楽にどっぷり浸れる雰囲気だ」、Drowned in Soundは10点中9点をつけ「ただ空白を埋めるだけではなく、未来の地平線を指し示す堂々としたカムバック」と評している。チャートでも好評で、UKでは16位、ビルボードでは50位につけている。
彼らはすでにラテンアメリカでライブを開催していて(ペルーの伝説的なシューゲーズばんどResplandorとも共演)、北米とイギリスでの長期ツアー、アジアでは韓国のValleyロックフェスと日本のフジロックにも7月30日に出演予定。

ミシシッピ・オールスターズの新譜『Prayer for Peace』が、デビューにしてビルボードブルース部門1位を飾った。このアルバムは、彼らが強く影響を受けたR.L.バーンサイドの「Long Haired Donkey」のカバーや、ミシシッピ・フレッド・マクダウェルの「You’ve Got to Move」(ローリングストーンズによって有名になった)のカバーが収録されている。今回の収録メンバーは、いつものコア・メンバー、ルーサー・ディッキンソン(ギター)と兄弟のコディ(ドラムス)、ゲストのオテイル・バーブリッジ(オールマンブラザーズ)、グレアム・レッシュ(グレイトフルデッドのベーシスト、フィル・レッシュの息子)、シンガー兼ファイフ(横笛)プレイヤーのシャード・トーマス(ブルースマン、オサー・ターナーの娘)や、ドミニク・デイヴィス(ジャック・ホワイト バンド)。

ニール・ヤングが長期に渡り関わってきた、身障者のための施設、ブリッジ・スクールのチャリティから身を引くことを発表した。ニール・ヤングは、重度の言語障害や身体障害を抱える人たちのために、毎年行ってきたコンサートを2017年は行わないと発表、今後の関わりについても疑問を呈している。理由は「個人的なもの」とのこと。この情報はブリッジ・スクールのホームページで明らかにされた。この学校は、1986年にヤングが元妻のペギ・ヤングと、北カリフォルニア、ラ・ホンダに彼が所有するブロークン・アロー牧場のそばに共同で立ち上げた施設で、そのチャリティコンサートには多くの著名なアーティストが参加している。
ヤングは2度結婚しているが、2回の結婚の間、1970年から1975年は女優のキャリー・スノッドグレスと恋人関係にあり、彼女との間に長男のジークがいる。ヤングは1974年に、牧場のそばのダイナーでウエイトレスをしていたペギと出会った。1978年に2人は結婚し、子供も次男のベン、長女のアンバーがいる。ジークとベンは、2人とも重度の脳性マヒを患った。ベンは特に状態がひどく、言語障害に加えて四肢のマヒもあった。アンバーは脳性マヒはなかったものの、ヤングと同じくてんかんの症状がある。
2014年7月にヤングはペギとの離婚を申し立て、ペギには牧場を渡してガールフレンドで女優のダリル・ハンナとロサンゼルスに移住。ダリル・ハンナはジャクソン・ブラウンと長く恋人関係にあり、また、元大統領の息子で駐日大使だったキャロライン・ケネディの弟、ジョン・F・ケネディ・ジュニアとも関係があった。
1985年、ニール・ヤングは他にもアメリカの農業従事者を支えるためのチャリティを、ウィリー・ネルソンやジョン・メレンキャンプと始めていて、こちらは3人の創始者が皆未だに関わっている。今年のチャリティコンサートは9月16日に予定され、創始者3人の他、ジャック・ジョンソン、シェリル・クロウ、デイヴ・マシューズなどが演奏するという。

ギャラクティックのパワー・ドラマー、スタントン・ムーアが、ニューオリンズの伝説的なシンガー・ソングライター、アラン・トゥーサンへのトリビュートになるソロアルバム『With You In Mind』を、7月21日に発売する。
このアルバムには、トロンボーン・ショーティ、シリル・ネヴィル、ニコラス・ペイトン、ドナルド・ハリソンや、ジェームス・ブラウンのホーンマンとして有名なメイシオ・パーカー、Garage a Troisに参加していたSkerikなど、数々のニューオリンズ音楽の旗手を起用した。1曲目のシングルはトゥーサンの曲でリー・ドーシーとロバート・パーマーにもレコーディングされた「Night People」のアレンジバージョンになる。

シンディ・ブレンズが、シドニーとして復活した!
シンガー・ソングライターのシンディ・ブレンズを覚えている方もいるだろう、70年代後半に批評家からも絶賛され、商業的にも大成功だった2枚のアルバムを出版した彼女は、ボブ・ディランのローリング・サンダーの一部としてツアーに参加していた途中で、エルトン・ジョンの2つの長期ツアーに参加するというほど引っ張りだこだった。グラミー賞にもノミネートされ、ロッド・スチュアートのバック・コーラスを務め、ミュージカル映画『グリース』では3曲でリードシンガーを務めた。
その成功にも関わらず、シンディはいつも自分自身に対して不自然さを感じていたという。3、4歳の頃には、自分は女性の体の中にいる男性だと確信していた。しかし、80年代には結婚して2人の子供を授かり、この頃には音楽業界からはほぼ身を引いていた。1999年には、アルバム『Somewhere Between Heaven and Earth』で復帰。11歳の娘ジェシーが、3年間の癌との闘病の末亡くなった。この経験が彼女に、ホルモン治療と性転換手術を受けることを決意させ、2012年には名前もシドニーと変更(通常Sidneyというスペルの男性名と同じ発音)。
現在、彼女は自分の歴史と音楽をワンマンライブに変えてツアーを行なっている。

シンガー・ソングライターのスコット・フィッシャーが、新譜『Jumpin’ At Shadows』を発売した。
このイケメン作曲家兼シンガーの半生は特殊だ。在フランス外交官を父に持ち、フランスで育った彼はフランス語に精通している。音楽家としても、多くの人気テレビ番組に音楽を提供することによって大成功している。また、パリス・ボサノヴァという名前でクラシックの楽曲や、5曲入りのレコードも出版していて、フランス語でボサノヴァ風の歌を歌っている。
その彼の新譜は、よりフォーク風かつポップで、スタジオミュージシャンも粋を集めている。この中では、特に「Who Will Save Us」という、コールドプレイ風で、ビートルズの要素も含むといわれている曲や、胸が張り裂けるような切ない「Fool」がラジオで大人気だ。