イズラエル・カマカヴィヴォオレの名曲「Hawaii ’78」が再浮上している。この曲はミッキー・イオアンス作曲で、イズ(イズラエルの略称)の初期のバンド、マカハ・サンズ・オブ・ニーハウが演奏していた。イズは1993年にソロ・アルバム「Facing Future」でこの曲を再録、ハワイアン音楽の最大ヒットのアルバムとして以来君臨している。この曲は最初、ハワイ語によるチャント(詠唱)で始まり、英語の歌詞により、ハワイの美しい自然が開発によって失われる様を嘆いている。2006年にホノルルでライブを行ったパール・ジャムをはじめ、多くのアーティストがこの曲をカバー。最近はアーティストのカウェヒが新バージョンをカバーしている。彼女は幼いころからカイアプニ(ハワイ言語浸透プログラムの学校)に通っていた。彼女のMVでは、ハワイ語、英語両方での歌と、ハワイ風ダンス、ウクレレの演奏を見ることができる。

事前の宣伝で期待の高まっていたニューヨークのセントラル・パークで開催されたイベント『We Love NYC: The Homecoming Concert』、TVでの視聴率も期待されていたが、蓋を開けて見れば大失敗だった。このイベントは、新型コロナからの復活を記念して企画された祝祭的な位置付けだったが、イベント時期がちょうど新型コロナの感染率再上昇と重なってしまった。また、クオモ・ニューヨーク州知事か数々のセクハラ疑惑で辞職となった時期とも重なっている。このコンサート自体は、プロデュースを担当した音楽界の重鎮、クライブ・デイヴィス(89歳)のトリビュートとしての側面も強い。出演予定だった殆どはデイヴィスと過去仕事をしていたアーティストばかり。出演したアーティストの中でのハイライトといえるのは、ジェニファー・ハドソンだった。彼女は現在、アレサ・フランクリンの伝記的映画『Respect』でNYフィル・ハーモニックと共演し、大絶賛されている。現在深夜のTV番組で音楽ディレクターを務めるニューオリンズ・ミュージシャンの一人、ジョン・バティストは気持ちがウキウキするような曲を歌い、高く評価された。サンタナとロブ・トーマスはここで新曲を披露し、楽しみにしていた観客を沸かせていた。しかし、ジャーニーとフィリピンのシンガー、アーネル・ピネダがスティーヴ・ペリーの代理を務めようとしていたのはいただけなかった。また、オールド・スクールのラッパーLL・クール・Jが昔のメンバーとの再結成を試みたが、こちらも懐かしくはあるものの、ピンとこず。フェス自体がバリー・マニローのステージの途中で、歴史的な大雨のため中止となり、本来メインとなるはずだったブルース・スプリングスティーン、エルヴィス・コステロやポール・サイモンは出番がないままに終了となった。残念!

ロバート・プラントとアリソン・クラウスが、新たに共同でアルバム『Raise The Roof』を11月19日、ワーナー・ブラザース・レコードから発売すると発表した。このアルバムはTボーン・バーネットによるプロデュースで、ゲストミュージシャンとしてマーク・リボー、デヴィッド・ヒダルゴ、ビル・フリーゼルやバディ・ミラーが参加する。アルバムの内容は主にカバー曲で、アラン・トゥーサン、エヴァリー・ブラザーズやマール・ハガードの曲に加え、彼らのオリジナル「High and Lonesome」も収録される。また、彼らは2022年にツアーを計画していて、詳細はまもなく発表の予定だ。

伝説的な歌唱デュオ、エヴァリー・ブラザーズのドン・エヴァリーが84歳で他界した。この兄弟は本当に素晴らしい「兄弟によるハーモニー」で知られ、1957年のヒット「Bye Bye Love」から数々のヒットソングを世に送り出した。彼らのサウンドは、ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ビージーズ、サイモンとガーファンクルなど、多くのアーティストに影響を与えた。エヴァリー・ブラザーズのサウンドはフォーク・カントリー・ロックのミックスと言われ、アメリカの音楽ムーブメントに多大な足跡を残した。彼らのヒット曲の多くはフェリスとブーデロウ・ブライアント夫妻によって作られたが、スマッシュ・ヒットとなった「Cathy’s Clown」はドンの作曲で、USチャートで1位を獲得、世界中で800万枚を売り上げ、ビートルズの「Please, Please Me」のインスピレーションとなった。