4月 05 2017

梯 郁太郎、死去

音楽業界の伝説、梯 郁太郎が4月1日に87歳で他界した。
梯氏は、そのキャリアをオルガン用のリズムマシーン(当時はオルガン奏者用のものだった)から始めたが、1967年、彼の最初のリズムマシーンを完成させる。ミュージシャンでエンジニアのドン・ルイスと、さらに複雑で、プログラム可能な機械を開発しようと試み、ローランドのTR-808の誕生となる。808は1980年から1983年の三年間だけのために作られ、83年には失敗作と思われた。
ドラム音はアナログで生成され、あまりリアルではなかったため「ロボチック」とか「宇宙っぽい」「おもちゃのようだ」と批判が続き、もっと高価な、実際のドラム音をサンプリングしたリンドラムの方が好まれた。
しかし、ミュージシャンの一部は、比較的安価だった上にプログラムが簡単でパワフルなベースサウンドの808を愛好した。808はグランドマスター・フラッシュ、Run DMC、パブリック・エネミー、ビースティ・ボーイズ、そして日本のYMO、マーヴィン・ゲイ、フィル・コリンズやホイットニー・ヒューストンなど、多くのミュージシャンのヒットレコードに使われている。2015年には808のドキュメンタリー映画が制作され、808を使っていた多くのミュージシャンへのインタビューが収録されている。
また梯氏は、MIDIの開発でも活躍、2013年にはその功績をたたえてグラミー賞の技術賞を受賞している。バークレー音楽学校からも、1991年に名誉学位を贈られた。2001年には自伝『ライフワークは音楽 電子楽器の開発にかけた夢』を上梓している。この本は2002年に英訳され、アメリカでも出版された。
安らかに。