Sep 23 2019

北米ミュージック業界トレンド

アメリカの音楽業界には現在多くのトレンドを横断したニュースが増えている。

2011年にはCDセールスをデジタルダウンロードが超えたが、現在ダウンロードビジネスは鋭い下降線を見せ、物質的なフォーマット(CD、レコードなど)の売り上げが上がっている。2018年にはストリーミングがトップのビジネスフォーマットだったことに対し、現在多くの業界人が驚いているのが、テイラー・スウィフトやトゥールのCD売り上げが著しいことだ。スウィフトのアルバム『Lover』はアメリカで、発売後2週間の間に46万枚のCDを売り上げた。彼女の人気は今更驚くに値しないほど当たり前のものになっているが、これほど多くのファンがCDのような物理的なフォーマットを選んだことに対し多くが驚愕した。さらに、トゥールは8万7千枚のデラックスパック(1部6500円)を売り上げた。それに加え、ヒップホップファンがデジタル・フォーマット(ダウンロード、ストリーミング)を好むことがよく知られているにも関わらず、ラップスターのマローンが新譜『Hollywood’s Bleeding』で12万6千部のCDを売り上げている。また、ジャック・ホワイトのプロジェクト・バンド、ラカンターズは、ホワイトがレコードオンリーのレーベル、サード・マンを持っているのもあってか最新アルバムで5万枚を売っている。しかし、ウォルマートやベストバイなどのビッグ・ボックス販売店はCDの売り場を減らしているし、業界全体を見るとやはりCDのセールスはアメリカでは徐々に減っている。それに対し、レコードは少しずつではあるが確実に売上を伸ばしつつある。レコードとCDの総売上の金額差は徐々に埋まってきていて、業界ではレコードの売上がその内CDの売上を上回ると予見している者もいるほどだ。面白いのは、CDが最初に出版された当時、レコードよりもはるかに高価で、倍以上の金額だったのが、ここに来てレコードを印刷できるプレスが減り、レコードのパッケージがデラックス化されたこともあり、価格が逆転したということだろうか。