デイヴ・マシューズ・バンドがツアーを再開、ワシントンではニューオリンズのファンクバンド、ダムスタファンクが前座を務めた。彼らの9月4日のパフォーマンスは予定通りには行かなかったものの、素晴らしい結果となった。バンドのドラマー、カーター・ボーフォード、ベーシストのステファン・レッサードが新型コロナに罹患で出演できず(彼らはワクチン接種済みだったため、軽症で済んだという)。デイヴ・マシューズはライブをソロで開始し、一人ずつメンバーを追加。以前デイヴ・マシューズ・バンドのメンバーとしてツアーに参加経験のあるダムスタファンクのベーシスト、トニー・ホールがいくつかの曲で演奏に参加した。ライブはダムスタファンクとデイヴ・マシューズ・バンドのメンバー全員で終了、最後に全員でスライ・ストーンの「Thank You (Fallettinme Be Mice Elf Agin)」と、ピーター・ガブリエルの「Sledgehammer」を熱演した。
事前の宣伝で期待の高まっていたニューヨークのセントラル・パークで開催されたイベント『We Love NYC: The Homecoming Concert』、TVでの視聴率も期待されていたが、蓋を開けて見れば大失敗だった。このイベントは、新型コロナからの復活を記念して企画された祝祭的な位置付けだったが、イベント時期がちょうど新型コロナの感染率再上昇と重なってしまった。また、クオモ・ニューヨーク州知事か数々のセクハラ疑惑で辞職となった時期とも重なっている。このコンサート自体は、プロデュースを担当した音楽界の重鎮、クライブ・デイヴィス(89歳)のトリビュートとしての側面も強い。出演予定だった殆どはデイヴィスと過去仕事をしていたアーティストばかり。出演したアーティストの中でのハイライトといえるのは、ジェニファー・ハドソンだった。彼女は現在、アレサ・フランクリンの伝記的映画『Respect』でNYフィル・ハーモニックと共演し、大絶賛されている。現在深夜のTV番組で音楽ディレクターを務めるニューオリンズ・ミュージシャンの一人、ジョン・バティストは気持ちがウキウキするような曲を歌い、高く評価された。サンタナとロブ・トーマスはここで新曲を披露し、楽しみにしていた観客を沸かせていた。しかし、ジャーニーとフィリピンのシンガー、アーネル・ピネダがスティーヴ・ペリーの代理を務めようとしていたのはいただけなかった。また、オールド・スクールのラッパーLL・クール・Jが昔のメンバーとの再結成を試みたが、こちらも懐かしくはあるものの、ピンとこず。フェス自体がバリー・マニローのステージの途中で、歴史的な大雨のため中止となり、本来メインとなるはずだったブルース・スプリングスティーン、エルヴィス・コステロやポール・サイモンは出番がないままに終了となった。残念!
ロバート・プラントとアリソン・クラウスが、新たに共同でアルバム『Raise The Roof』を11月19日、ワーナー・ブラザース・レコードから発売すると発表した。このアルバムはTボーン・バーネットによるプロデュースで、ゲストミュージシャンとしてマーク・リボー、デヴィッド・ヒダルゴ、ビル・フリーゼルやバディ・ミラーが参加する。アルバムの内容は主にカバー曲で、アラン・トゥーサン、エヴァリー・ブラザーズやマール・ハガードの曲に加え、彼らのオリジナル「High and Lonesome」も収録される。また、彼らは2022年にツアーを計画していて、詳細はまもなく発表の予定だ。
ベテランのキーボード奏者、マイク・フィニガンが76歳で他界、原因は癌だという。ソロでもいくつものアルバムを上梓しているが、フィニガンは基本的にはサポートプレイヤーで、クロスビー・スティルス・アンド・ナッシュ、ジョー・コッカー、、ケブ・モー、デイヴ・メイソン、レス・デューデック、ボニー・レイット、ジミ・ヘンドリックス(「Still Raining, Still Dreaming」)やタージ・マハルらのアルバムなどに登場することでよく知られている。
インスト・ギター・ロックバンド、アンフリーズ・マックギーが最新アルバム『You Walked Up Shaking In Your Boots But You Stood Tall And Left A Raging Bull』をリリースした。また、激辛ソースメーカーのナッシュビル・ヒートとコラボし、「Rage. Rest. Repeat.」の三つのスパイスソースにアンフリーズのロゴをつけたボックスセットとして発売。バンドは8月5日から長期ツアーを開始、12月にはメキシコでのコンサートを、また2022年3月にはアイスランドで3回のショーを予定している。このバンドは2006年のフジロックで演奏していて、日本のバッファロー・レコードから何枚ものアルバムをリリースしている。エイドリアン・ベロウとジェフ・ベックのファンは要チェックだ。
ZZトップのベースプレイヤー、ジョセフ・”ダスティ”・ヒルが72歳で他界した。死因は発表されていない。彼は近年腰に問題があり、ヒルの要請で、長年ZZトップのギター・テクニシャンを務めていたエルウッド・フランシスがいくつかのライブで代理を務めている。ZZトップは1970年から変わらないラインナップで15枚のアルバムをリリースし、5千万枚を売り上げている。ビリー・ギボンズがリード・ボーカルとしてこのブルース・ロック・トリオの殆どの曲を歌っていたが、ダスティ・ヒルはファンから最も愛された「Tush」「Beer Drinkers and Hell Raisers」のリード・ボーカルだった。
日本のインストゥルメンタル・ギター・ロックバンドのモノが11枚目のアルバム『Pilgrimage of the Soul』を9月17日にアメリカのテンポラリー・レコード、ドイツはペラジック、中国ではニュー・ノイズから発売する。このアルバムはスティーブ・アルビニがプロデュース。バンドは2022年に長いヨーロッパツアーを予定している。
チャック・E・ウェイスが76歳で癌により死亡した。ウェイスは長年、LAの音楽シーンでは欠かせない存在だった。彼を有名にしたのは、リッチー・リー・ジョーンズの1979年のヒット曲「Chuck E’s in Love」。また、彼はトム・ウェイツとの長年の友人で、ウェイツの曲「Jitterbug Boy」の中で触れられている。彼のキャリアは変わっていて、ライティン・ホプキンスとドラムを演奏したり、バンドP&ジョニー・デップやバットホール・サーファーズのギビー・ヘインズと一緒に演奏、またTVなどで脇役として登場、彼のバンドであるゴッダム・ライヤーズとLAのクラブ・セントラル(後のバイパー・ルーム)で定期的にギグを行いながら、ソロでも何枚かアルバムを出版している。
2006年に閉店したロサンゼルスのサンセット・ブルバードにあった伝説のタワーレコード旗艦店(1974年には世界最大のレコードショップだった)が、1990年中盤の最盛期に見えるよう化粧直しをした。これは、近日公開の『Pam and Tommy』という女優パメラ・アンダーソンと、モトリー・クルーのドラマー、トミー・リーとの激動の関係を描いた映画にタワーレコードが登場するため。
ビリー・アイリッシュのセカンドアルバム『Happier Than Ever』が7月30日に発売になる。彼女の最新シングル「NDA」(秘密保持契約)は、現在ビリー本人が監督したビデオで見ることができる。グラミー賞7部門受賞の彼女は、9月に、北米・ヨーロッパでのツアーを開始。マジソン・スクエア・ガーデンでの2夜を含め、ほとんどのチケットが完売しているという。