アメリカでは、非常に人気のない反中絶法について、州にその判断をゆだねるという判例が極右勢力により強行採決された。州のうちには、すでに反女性法と呼ばれる、中絶をレイプ、近親相姦や家庭内暴力の結果のものであっても完全に違法とする方針を可決している。また、いくつかの州では上記のケースにより特例を設け、また妊娠6週までの中絶を許可する州もあるが、こちらはほとんどの女性がこの時点での妊娠には気付かないことから全く意味がないと非難されている。

アメリカの中絶する権利については、1973年のロウvs.ウェイドの判例により、明確に確立したとみなされ、法律的には規定のものと信じられてきた。

同じ週には銃の規制法については各州の問題ではなく、連邦で判断すべきものとの判例が出ている。

最高裁判事のクラレンス・トーマス氏が公然とゲイ・セックスやゲイの婚姻に関する法律、また避妊に関する法令は再考されるべき、と発言したことは自体を悪化させている。トーマスはもともと、多くのセクハラ疑惑を抱えた問題のある人物でもある。トーマスが、アメリカ国内での異人種間結婚の権利について制定した1967年のラヴィングvs.ヴァージニアの判例については触れなかったことに言及もされている。トーマスは、自身が黒人で、白人女性、ジンニと結婚している。彼女はドナルド・トランプと近しく、彼の2020年の大統領選での「大いなる嘘」を広めることにも助力していたといわれている。

これに対し、多くのミュージシャンが即座に反応。シンガー・ソングライターのアニ・ディフランコはパール・ジャムのストーン・ゴサール、ギャラクティックのスタントン・ムーア、サックス奏者のスケーリクと「Disorders」という歌を作曲、販売した金額については中絶の権利団体に寄付するとしている。スーパースターのリッゾはすでにツアーの売り上げから50万ドルを中絶の権利のために使うと表明、また彼女のプロモーターであるライブ・ネーションは、売上から100万ドルを同じ目的で用意するとしている。
元ディズニー子役で現在グラミー賞受賞のシンガー・ソングライターであるオリヴィア・ロドリゴは彼女のグラストンバリーでのパフォーマンスでこの事態に言及。リリー・アレンをステージ上に呼ぶと、この件について「アメリカで昨日起こった自体に、胸が張り裂けそうだ。悲しくて、また恐ろしくてたまらない」と情熱的なスピーチを行い、リリー・アレンが2009年にヒットさせた「Fuck You」のデュエットを最高裁に献歌した。

ロサンゼルスをベースに活動するバンド、カーミックがキャッチーなシングル「Boomerang」を発売し、現在ヨーロッパの長期ツアーに向けて準備を進めている。このグループは、女性シンガーのカイル・チャッチとローラ・バルーチをフィーチャーし、80年代のポップサウンドの影響を受けた、ジャズ風味のサウンドと、よく考えられた歌詞が特徴。スポティファイではリリースしたうち3曲が100万再生を超え、「Little Lucille」については300万再生を超えている。彼らのファースト・フル・アルバム『Disco Submarine』は9月9日のリリースを予定している。

マルチ・インストゥルメント奏者のトビー・ドライバーは、クラシック、ゴス、ジャズ、ポスト・ロックやメタルを含む豊かな音楽的素養と、複雑で、ゴージャスかつ奇矯な音楽により、作曲者としての名声を築いている。彼が最初に音楽業界に現れたのは、Maudlin of the Wellというバンドのリーダーとして、またジャズの偉人であるユセフ・ラティーフの元で勉強していた時のことだ。2003年にはカヨ・ドットというバンドを立ち上げ、ただ一人のコンスタントなメンバーとして活動を続けている。彼の最新リリースは、ブラッドミストと呼ばれる3人バンドで、この中で彼は、ギタリスト兼キーボード奏者のマリオ・ディアズ・デ・レオンとクラリネット奏者のジャレミア・サイマーマンと共にベースを演奏している。
 サンフランシスコをベースに活動するガラージ・バンド、ホット・ランドリーが、デビューアルバムとなる『Pawn Shop Gold』をリリースした。
このバンドは西海岸でダイナミックなライブを繰り返し、多くのファンを獲得している。彼らのサウンドは、「アイクとティナ・ターナーを足してザ・ソニックスと合わせたような」と評される。
キーになる曲はビーチボーイ風味の「The Dance」と、ギター重視の「Baby Come On」。