ジャズ・ファンク・サックス奏者のカール・デンソンがまた驚くべきことを成し遂げた。
デンソンが最初に世に出たのは、レニー・クラヴィッツ・バンドでの演奏で、その後ジャズ・ファンクバンドのグレイボーイ・オールスターズの共同創立者となる。また、ジャズの偉人と呼ばれるジャック・ディジョネットやゴスペルシンガーのブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ、偉大なロッカー、スティーヴ・ウィンウッドやオールマン・ブラザーズらと共演、サンディエゴの友人スライトリー・ストゥーピッドとはツアーにも出ている。ジャズファンであれば、2001年にブルーノートから出版された彼の名盤で、日本でもツアーをした『Dance Lesson No.2』をご存知だろう。他にも、彼はローリング・ストーンズのカバーに特化したプロジェクトバンドの立ち上げなども行っている。2014年、ローリング・ストーンズが長期に渡るコラボレーターだったサックス奏者のボビー・キーズが病死した際、全ての曲を知っていたデンソンに声がかかった。最近、彼はビースティ・ボーイズのトリビュートに別のプロジェクトバンドを立ち上げ、今年中にライブを行うという。メンバーにはスライトリー・ストゥーピッドのメンバーも参加しているそうだ。
ベテランのジャンプ・ブルース、ブギウギピアニストのミッチ・ウッズが名盤『Friends Along the Way』のデラックス盤を9月15日にリリースした。NY出身で現在カリフォルニアをベースに活躍するミッチ・ウッズとヒズ・ロケット88はデビューアルバム『Steady Date』を1984年にブリング・ピッグから発売、当時はハイ・タイド・ハリスがギタリストとしてメンバーに入っていた。その後ミッチは多くのミュージシャンと共演、ライブやレコーディングを重ね、多くの共演者が『Friends Along the Way』アルバムに参加している。その中には、ヴァン・モリソン、エルヴィン・ビショップ、マリア・マルダー、ジョー・ルイス・ウォーカー、ラシー・フォスター、シリル・ネヴィルやタージ・マハルら多くのミュージシャンが含まれている。
ハービー・ハンコックの伝説のバンド、ヘッドハンターズのドラマーとして知られるマイク・クラークが、素晴らしい新譜『Kosen Rufu』をワイド・ハイヴ・レコードから出版した。このアルバムには同じくヘッドハンターズのメンバーだったビル・サマーズ、ブルーノートのトランペット奏者エディ・ヘンダーソンやサックス奏者のスケーリック(クリッターズ・バッギン、レス・クレイプール、ニュー・マスター・サウンズ)らが参加している。他にも、以前共演したことのあるピアニストのウェイン・ホーヴィッツ、ベースのヘンリー・フランクリン(ヒュー・マサケラやスティービー・ワンダーと共演)も出演している。マイク・クラークは長きに渡る仏教徒で、アルバムタイトルはそこに由来するという(詳しく翻訳すると仏陀の教えを広める、という意味とのことだが、通常は世界平和を意味するとのこと)。このアルバムには秀逸なオリジナル曲に加え、エリック・ドルフィーの「Hat and Beard」のコピーが収録されている。
日本発のバンド、ワールズ・エンド・ガールフレンドが新譜『Resistance & the Blessing』を自身のレーベル、ヴァージン・バビロンから出版した。このアルバムは35曲で構成され、2時間半に届こうかという長さで、彼のユニークなクラシック、エレクトロニックや他の音楽要素が詰め込まれている。彼の以前の作品の他、映画のサントラや、海外ツアーなどで彼は国際的なファン層を獲得している。
ザ・ビースティ・ボーイズの名前を冠して「ビースティ・ボーイズ・スクエア」がニューヨーク市のオーチャード・ストリートとリヴィングトン・ストリートの交差点が命名された。彼らのセカンドアルバムのタイトルとなったポールのブティックのある場所だ。マイク・Dとアドロックが命名式に参加した。
偉大なるサックス奏者、スケーリックだが、謎の疾患からゆっくり回復しているニュースとは裏腹に、今年予定していた多くの予定をキャンセルせざるを得なくなっているという。4月に首・肩の痛みで飛び起きたという彼だが、すぐに両方ともが悪化、演奏どころか、安心して体を休めることもできなくなったという。医者や鍼灸、カイロプラクティック、ロルファー(整体の一種)、マッサージなどあらゆる施術を受けるも、問題の根幹がわからないという。
彼が参加できなかったライブには、アメンドーラvs.ブレイズのツアーや、レス・クレイプールのフラインク・フロッグ・ブリゲード(パーカッション奏者のマイク・ディロンやショーン・レノンも参加している)なども含まれている。
アメリカのシンガー・ソングライター、ジミー・バフェットが皮膚がんにより、9月1日、76歳で他界した。残念なことに日本ではそこまでの著名度は無かったが、アメリカではスタジアムコンサートが満員になるスーパースターだ。ランキングとしては70年代半ばと、80年代前半でトップ40に何曲かランクインした。バフェットはミシシッピ生まれのアラバマ育ちで、メキシコ湾沿岸地域ということからガルフ・コースト育ち、と呼ばれる。彼の祖父と父は二人とも船乗りで、その影響かバフェット本人もボート乗りを好んだ。その姿や船、ビーチ、海賊や飲酒など海にちなんだテーマの曲が彼の象徴ともなっている。彼の曲は、最初のヒット曲「Come Monday」に代表される優しいラブソングから、コミカルな「Cheeseburger in Paradise」、また彼の最大のヒット曲「Margaritaville」のようなコミカルなラブソングに分類されるものが多い。彼の音楽スタイルもフォークからポップス、ブルース、カントリーやカリビアンなど多岐にわたっている。発売したアルバムのうち9枚はプラチナアルバムになっている。
音楽の他にも、彼は素晴らしいビジネスマンとしての顔も持っていた。自らのレコードレーベルを立ち上げたり、ビール製造、レストラン、カジノ、ホテル、老人ホームやマイナーリーグの野球チームなど、多くの投資を行った。また彼は俳優として多くの映画にも出演、ベストセラー作家の顔も持っている。彼の総資産は10億円を超えると予測されている。
サンフランシスコをベースに活躍するアンビエント音楽アーティストのクリストファー・ウィリッツが10月日本に戻ってくる。岐阜の大禅寺で10月7日、友人でコレボレーターだった坂本龍一を偲んでライブを行う予定だ。二人は2008年に『Ocean Fire』、2012年に『Ancient Future』と二枚のアルバムを制作していた。
ウィリッツは10月14日、東京のポラリスにて畠山地平と共演も予定している。
ジャズ・ファンク・ギタリストのエリック・”クラズ”・クラズノがいつも通り超多忙だ。昨年、非常に好評を博したソロアルバム『Always』をリリースしたばかりだが、今年は自分の名前を冠した『King Canyon』を、プロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリストのオーティス・マクドナルド(Alwaysアルバムにも参加)と制作、他にもギャラクティックのマイティ―なドラマー、スタントン・ムーアとクラズノ/ムーア・プロジェクト『Book of Queens』、ゲストにはブランフォード・マルサリス、ロバート・ランドルフや、コーリー・ハートが参加している。クラズは9月にフェスにも参加する予定。これはキング・キャニオン、クラズノ/ムーア・プロジェクト両方で出演の予定だ。
イギリスのジャズ・サックス、フルート奏者のチップ・ウィッカムが4曲EP『Love & Life』を8月25日、ゴンドワナ・レコードから発売した。発売前からスポティファイで試聴可能だったタイトルトラックは素晴らしい。ウィッカムは定評のあるアルバム『Cloud 10』で世界中にファンを獲得、日本でもニュー・マスターサウンズのサイドマンとして演奏している。
ウィッカムは9月21日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでトランペット奏者のマシュー・ハルソールと共演予定だ。