ジム・オルークは映画『Hands That Bind』のインスト・サウンドトラックをドラッグ・シティ・レコードから出版したばかりだ。この映画の監督はカイル・アームストロング、カナダの片田舎を舞台に繰り広げられる不吉なミステリーで、「プレイリー(草原の)・ゴシック」と評される。

長期の沈黙?を経て、オーケー・ゴーが復活する。2014年リリースの『Hungry Ghost』アルバム以来久々の活動開始だ。オーケー・ゴーのシンガー、ダミアン・クーラッシュと彼の妻で作家・コメディ作家・映画プロデューサーを兼業するクリスティン・ゴア(元アメリカ副大統領アル・ゴアの娘でもある)は1995年に始まったビーニー・ベイビーズというぬいぐるみの大流行(限定生産の小型のぬいぐるみがブームになり、最後には投資対象として時には何千ドルもの価値で売買されていた)を描いた映画「The Beanie Bubble」の制作を手掛けていた。この映画の主演はザック・ガリフィアナキス(ザ・ハングオーバー出演)とエリザベス・バンクス(ザ・ハンガーゲームス出演)。この映画はアップルTVで7月28日からストリーミングにて視聴可能となる。この映画には、オーケー・ゴーの新曲「This」も使われている。アルバムは今年後半には発売予定だ。

今月末、待望のダニー・ガットンのドキュメンタリー『The Humbler』がフィルム・フェスティバルでお披露目となる。ガットンのあだ名だったThe Humblerの由来は、彼の演奏を聴いた全てのギタリストが謙虚(humble)な気持ちになることからといわれる。この映画にはレス・ポールやジョー・ボナマッサ、アルバート・リー、ジョン・セバスチャンら多くのインタビューが採用されている。ガットンはテレキャスター・ギターの達人で、ロカビリー・シンガーのロバート・ゴードンとの演奏が最も有名だったにもかかわらず、自身の様々なジャンル混合音楽のスタイルを「レッドネック・ジャズ」と呼んでいた。

東京をベースに活躍するラジオDJ兼作家兼映画監督のマイク・ロジャーズが、ヨーコ・オノの短いドキュメンタリー映画を書き下ろし・監督した。この映画は『Grapefruit』というタイトルで、オノの1964年に出版された本と同名だ。この映画は彼女のアートや哲学についてであり、ジョン・レノンや音楽との関連については特に描かれていない。この特殊な視点により、日本で最も著名な女性についてのイメージが広がることだろう。主役を演じるのはシンガーで女優のナツキ・ベレーザ。すでに数々のフィルムフェスティバルでの発表が決定しており、評価も素晴らしく高い。

今月の彗星ニュースは、エイミー・ワインハウスのバイオピック(伝記映画)だ。タイトルは彼女が大人気となったセカンドアルバムと同じ『Back to Black』となる。このイギリス人シンガーを演ずるのはマリサ・アベーラ。
2003年にアルバム『Frank』でデビューしたワインハウスだが、このアルバムからはヒットは1曲も出なかったかわりに徐々にイギリスチャートで評価が上がり、最終的には13位となった。彼女のロニー・スペクターを彷彿とさせるレトロなイメージも話題になり、彼女の声やマテリアルの幅広さが更に人気を高めた。2004年の二枚目のアルバム『Back to Black』はマーク・ロンソンがプロデュースに入り、自伝的ヒット曲「Rehab」で始まったこのアルバムは、複数プラチナレコードとなり、グラミー賞も5つ受賞した。しかし、薬物の過剰摂取は止まらず、2011年27歳の時、アルコール過剰摂取で世を去った。

60年代の大人気TV番組がリバイバルで人気を博している。1964年から66年に放送されていた「アダムス・ファミリー」は、1938年に始まったチャールズ・アダムスの漫画を原作にした大ヒット作品だ。おどろおどろしくて奇妙な家族が実際に放映されたのは数年に過ぎないが、その後何度も再放送を重ね、他の番組やアニメ、映画、ビデオやキャラクターグッズなどに多面展開した。一番最近のリバイバルはネットフリックスの「Wednesday」で、10代の代わった少女、アダムス一家のウェンズデイ・アダムスをジェナ・オルテガが好演している。このシリーズは、ウェンズデイが、81年のカルト曲と言われるクランプスの「Goo Goo Muck」に合わせて踊る予告編で大いに注目を集めた。
アダムス一家とほぼ同時に現れて同じく大人気だったのがもう一つの怪物一家番組がマンスターズだ。近年、ホワイト・ゾンビというバンドの元メンバーで、2000年以降ホラー映画の監督をしていたロブ・ゾンビが自ら脚本・監督を務め再構築した映画が発表された。が、評判はそこそこ、といったところ。

ジャパンインディーズ映画祭が11月22日に開始、29日まで開催され、すべての映画がオンラインで無料鑑賞できる。今回の参加作品は23作品で、一番視聴される回数が多かった映画が観客賞を受賞することになり、11月28日に代官山のシアターズ・ギルドでのイベントで上映される。詳細はこちらを確認してほしい。 https://soundsurf.com/station/JIFF

マーティン・スコセッシのドキュメンタリー『Personality Crisis: One Night Only』が公開された。ニューヨーク・ドールズのシンガー、デヴィッド・ヨハンセンが扮するヨハンセンのもう一人の自分、バスター・ポインデクスターとしてニューヨークのカフェ、カーライルで行ったライブを中心に据えたドキュメンタリー。バスター・ポインデクスター名義では80年代から90年代にかけて3枚のアルバムをリリースしている。ドールズがグラム、R&Bやパンクスタイルだったのに対しバスター・ポインデクスターはよりレトロかつコミカル、キャブ・キャロウェイやルイス・ジョーダン風で、ヨハンセンのルーツ・ミュージックに対する深い知識を表していた。この映画は9月1日から開催されたニューヨーク・フィルム・フェスティバルで公開された。

パンクについていくつもの映画を作成して知られているダニー・ガルシアが要チェックの新作ドキュメンタリー映画『Nightclubbing: The Birth of Punk Rock NYC』をリリースする。この映画では1965年に開店し1981年に閉店したニューヨークのナイトクラブ、マクシズ・カンザス・シティがいかにアンダーグラウンドのセレブ達御用達だったかを紹介している。常連とされるアーティストには、NYドールズのシルヴェイン・シルヴェイン、デッド・ボーイズのジミー・ゼロ、エリオット・マーフィー、レニー・ケイ、写真家のボブ・グルーエン、アリス・クーパーやジェイン・カントリーなどがいた。

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのドキュメンタリー映画『Travelin’ Band』が9月16日一般公開されることとなった。1970年のロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートを含む多くのライブ動画と、俳優ジェフ・ブリッジスによるナレーションでつづられる、バンドの歴史を網羅した映画になる予定。1968年から1972年の間、CCRはトップ10に入った9枚のシングルと8枚のゴールドアルバムに代表される、素晴らしい軌跡を描いた。また、彼らは当時大人気だったテレビ番組「エド・サリバン・ショウ」やウッドストックでも演奏した。映画と同時に、ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートはCDでもリリースされる。