ベビーメタルのアルバム『Metal Resistance』がビルボードのメインチャートで39位にランクイン、日本人アーティストによるメインチャートインとしては最高の数字を叩き出した。これ以前の再高位ランクインは1963年の坂本九。
ビルボードには、以前にも、宇多田ヒカル、YMO、ラウドネス、小野洋子や富田勲もランクインしているが、トップ40には届かなかった。UKアルバムチャートでは15位につけている。

先月他界したデヴィッド・ボウイのアルバム『ブラックスター』は、ボウイにとって全米1位を獲得した初の作品となった。常に高い評価を受けてきたボウイだが、アメリカのメインストリームに受け入れられるまでには長年の歳月を要した。彼の代表作として知られる1972年発表の『ジギー・スターダスト』でさえも、全米75位止まりだった。ちなみに、全英では2作目の『スペイス・オディティ』がトップ5に入るヒット作となった。1975年に全米シングルチャート10位内に入った「フェイム」は、ギタリストのカルロス・アロマーとジョン・レノンによる共作である。一方で、ジャズよりの今作『ブラックスター』に参加したバンドメンバーらの経歴も注目を集めている。その中でも最も成功しているドラマーのマーク・ジュリアナは、優れたピアニストのブラド・メルドーとのプロジェクト・デュオ、メリアーナ名義で、およびベーシストのミシェル・ンデゲオチェロと作品をレコーディングし、昨年はソロ・アルバム『ファミリー・ファースト』をリリースしている。ベーシストのティム・ルフェーヴルは、2013年からはテデスキ・トラックス・バンド、そしてジャム・バンドのラダー(Rudder)での活動で知られる。サックス奏者のドニー・マッキャスリンは、シングル「スタジアム・ジャズ」などで2回のグラミー賞ノミネート歴を持つ。

先月20日にリリースされた約5年ぶりとなるアデルの新作アルバム『25』が、全米で発売1週目にして338万枚を超えるセールス記録を樹立した。これは、音楽の推定販売枚数およびランキングをスキャンで集計及び発表するニールセン・カンパニーのシステムが導入された1991年以来の最高セールス記録となる。この驚異的な売上げの51%がCD、49%がデジタル配信というのも興味深い数字だ。そして、この週の全米チャート上位200作品の総売上げは495万枚、ということは主にアデルの作品によるものだ。これで、180万枚を売上げて2015年のベストセラー・アルバムに君臨していたテイラー・スウィフトの記録が大きく塗り替えられた。地元イギリスはもとより世界各国でチャート1位を獲得しているアデルの新作だが、日本のみ主にJポップに独占されているチャート上位には食い込めず、13位止まりとなっている。

8月7日にiTunes限定でリリースされたドクター・ドレーの新作アルバム『コンプトン・ア・サウンドトラック』が好調だ。ドクター・ドレーがアルバムをリリースするのは約16年ぶりとあって、今作を心待ちにしていたファンも多いだろう。スヌープ・ドッグ、エミネム、ケンドリック・ラマー、アイス・キューブなど豪華ゲスト陣をフィーチャーした今作は、ドクター・ドレーも在籍した80年代のギャングスタ・ラップ・グループのN.W.A.を描いた映画『ストレイト・アウト・オブ・コンプトン』の公開に伴ってリリースされた。しかし、厳密にいえばサントラではなく、同映画に“インスピレーション”を受けた作品だ。ドクター・ドレーはこのアルバムのロイヤリティ(著作権収入)を地元コンプトンに全額寄付することを発表している。

マーク・ロンソンとブルーノ・マーズのコラボ曲「アップタウン・ファンク」がUKチャート1位でクリスマスを迎えた。USチャートでもトップ10に入っている同曲は、先日放送された人気テレビ番組『ザ・ヴォイス』のシーズン最終回にもフィーチャーされて話題を集めた。ロンソンの新作アルバム『アップタウン・スペシャル』は2015年1月19日にリリースされる。今作には、スティーヴィー・ワンダー、ハドソン・モホーク、ミスティカル、テーム・インパラのケヴィン・パーカー、ピューリッツァー賞受賞歴を持つマイケル・シェイボン、ビヨンセやラナ・デル・レイを手がけたプロデューサーのジェフ・バスカーなどがゲスト参加している。

歌手・女優のベット・ミドラーが12月1日に69歳の誕生日を迎えた。ミドラーが最近リリースしたカバー・アルバム『イッツ・ザ・ガールズ!』はビルボード・チャート10位内にランクイン、キャリアで5度目のトップ10入りを達成させた。また、同郷ハワイ出身のジェイク・シマブクロとは先日共演したばかりだ。歳を重ねるごとにエネルギーを増していく彼女の今後の活躍に期待したい。

デビュー・アルバム『ロイヤル・ブラッド』で全英チャート初登場1位を記録した話題のロック・デュオ、ロイヤル・ブラッドが2015年1月に来日公演を行なう。新人グループとしてすでに大成功を収めているデュオのデビュー作は、このところずっとポップ、ヒップホップ、ダンスミュージックがチャート上位を独占してきた音楽シーンにロックの復活を予感させるものとして歓迎されている。

ジャズシンガーのヘイリー・ロレンの新作アルバム『ザ・ベスト・コレクション』がAmazonとiTunesで2週連続1位を獲得した。今作には、「私を月に連れて行って(原題:Fly Me To the Moon)」、「青い影(原題:Whiter Shade of Pale)」、「バラ色の人生(原題:La Vie En Rose)」、「スマイル」、「愛しのエリー(原題:Ellie My Love)」といった人気カバー・バージョンの他、「ハウ・シュッド・アイ・ノウ」や「クアンド・バイラモス」などのオリジナル曲が収録されている。

大御所ロッカーのトム・ペティ(63)が新作アルバム『ヒプノティック・アイ』で初の1位を獲得した。マッドクラッチで活動した後、1976年にソロ・デビューしたペティは現在まで根強い人気を集めてきたが、意外にも今作までチャートの自己最高記録は1979年のアルバム『破壊(原題:Damn the Torpedoes)』の2位だった。

ハワイ出身のビッグウェーブ・サーフ・チャンピオン/シンガーソングライター、マクア・ロスマンのデビュー・アルバム『サウンド・ウェイヴ』が話題を集めている。ビルボードのレゲエ・チャートで初登場1位を獲得した今作は高い評価を受けている。ロスマンのサーファー仲間で音楽ファンのレイアード・ハミルトンは“ビッグウェーブ・ライダーは作られるのではなく、生まれながらのものだ。同じことがミュージシャンにもいえる。マクアはサーフィンと音楽をするために生まれてきたんだ。ハワイアンとコンテンポラリースタイルを融合させた彼の音楽は楽しくてエンタテインメント性に富んでいる。マクアのハワイ文化への愛、そして人生を満喫しようという生き様がそのまま彼の音楽にあらわれていると思う。”とコメントしている。『サウンド・ウェイヴ』は日本ではInterFMでエアプレイされており、タワレコでも順調にセールスを伸ばしている。マクアは先月初めにペルーのピコ・アルタで開催されたビッグウェーブ・コンテストで優勝を手にした。