音楽ビジネスの伝説と呼ばれた男、アート・ループが104歳で他界した。ピッツバーグのユダヤ系、アーサー・ゴールドバーグとして生まれ、スペシャルティ・レーベルを1046年にロスで始めた。彼は当時のメジャーレーベルが興味を示さなかったR&Bにフォーカス。彼本人がロサンゼルスのナイトクラブを徘徊し、才能のあるアーティストを探した。また、売れるアーティストを聞き分ける耳を持っていた。ループのもっとも有名な発掘は、14曲のトップテンヒットをもつ華やかなるリトル・リチャードだ。リチャードはロックのスタンダードとなる「Bad Boy」「Slow Down」 「Dizzy Miss Lizzy」や「Bonie Maronie」などを作曲、世に広めた。
ループはまた、多くのゴスペルシンガーをサポートしていて、その中から羽ばたいたのがソウルフルなバラード・シンガーのサム・クックだった。
LAを基盤に活躍していたループだったが、ニューオリンズにも強いつながりがあり、そこで「Personality」「Lawdy Miss Clawdy”」「Stagger Lee」などで大ヒットを飛ばしたロイド・プライスを発掘。また、非常に影響力のあるギタリストとなったギター・スリムもここで遭遇した。彼はのちに「The Things That I Used to Do」でミリオン・セラーとなった。

1960年代になるとループはぺイオラ(ラジオDJに違法な料金を払いイベントなどでプレイしてもらうこと)などの流行りに辟易したのもあり、音楽業界自体に飽きてしまい、他の事業を起こす。1991年にはスペシャルティ・レーベルもファンタジー・レコードに売却した。
音楽業界の本物の偉人の一人、アート・ループよ、安らかに。

インダストリアルロックを代表するバンド、3ティーすが2020年2月にイギリスツアーを行うと発表した。ロサンゼルスをベースに活動するこのバンドは、最近センチュリー・メディア・レコードから発売されiTunesのメタルチャートで1位、メインアルバムチャートで28位になったアルバム『Metawar』をサポートするためのツアーとなる。2016年、ツールは3ティースを自らの前座としてわざわざ指名した。彼らは自らがメインのライブを始める前に、他にもミニストリー、ラムステイン、デイジングやHIMの前座をしている。彼らのUKツアーの前座は、ベテランのインダストリアル・アーティスト、PIGが行う予定だ。

ジャズ・ファンク・バンドのレタスや、ジャズギタリストのジョン・スコフィールドとよく演奏していて評価の非常に高いドラマー、アダム・デイッチが、自分のバンド、アダム・デイッチ・バンドを結成した。このバンドにはキーボーディストのウィル・ブレーズ、レタスのサックス奏者ライアン・ゾイディス、そしてニューオリンズで活動するトランペット奏者のエリック・ベニー・ブルームが参加している。彼らはニューヨークのブルーノートで最近演奏し、アルバムもレコーディング中だという。このアルバムにはスコフィールドがゲスト参加する予定。

超絶的な人気を誇るK-POPアイドルグループ2NE1のCLが、プロデューサーにディプロを迎えて全米デビューの準備を進めている。ディプロはこれまでにMIA、ブリットニー・スピアーズ、ノー・ダウト、アッシャー、スヌープ・ライオン、G-Dragon(ジードラゴン)など多数の有名アーティストをプロデュースしてきた。また、プロデューサー仲間のスウィッチとのコラボ・プロジェクト、メジャー・レジャー名義でも作品をリリースしている。

ハワイ出身のビッグウェーブ・サーフ・チャンピオン/シンガーソングライター、マクア・ロスマンのデビュー・アルバム『サウンド・ウェイヴ』が話題を集めている。ビルボードのレゲエ・チャートで初登場1位を獲得した今作は高い評価を受けている。ロスマンのサーファー仲間で音楽ファンのレイアード・ハミルトンは“ビッグウェーブ・ライダーは作られるのではなく、生まれながらのものだ。同じことがミュージシャンにもいえる。マクアはサーフィンと音楽をするために生まれてきたんだ。ハワイアンとコンテンポラリースタイルを融合させた彼の音楽は楽しくてエンタテインメント性に富んでいる。マクアのハワイ文化への愛、そして人生を満喫しようという生き様がそのまま彼の音楽にあらわれていると思う。”とコメントしている。『サウンド・ウェイヴ』は日本ではInterFMでエアプレイされており、タワレコでも順調にセールスを伸ばしている。マクアは先月初めにペルーのピコ・アルタで開催されたビッグウェーブ・コンテストで優勝を手にした。

昨年、苦いあと味を残して決別したオマー・ロドリゲスとセドリック・ビクスラーがようやく和解したようだ。昨年1月にマーズ・ヴォルタからの脱退を表明したビクスラーは、ロドリゲスが新プロジェクト・バンドのボスニアン・レインボウズの活動を優先している状況に嫌気がさしたこと、4年前から解散について考えるようになった胸の内をツイッターで打ち明けていた。ずっと口をきいていなかったという2人だが、先週新バンド、アンテマスク(Antemasque)を結成したことを発表した。しかし、この発表にはいくつか不可解な点がある。NME誌をはじめとする各メディアは、レッチリのフリーがベーシストとして参加している“新たなスーパーグループ”の誕生をこぞって報じたが、同日にフリーは自身のツイッターで“今朝起きたら自分がスーパーグループのメンバーになっていて驚いた(笑)。俺はただ友達のために何曲か演奏しただけなのにさ。”と、この事実を否定。また、ロドリゲスはアンテマスクを“フルタイム”のプロジェクトだとしているが、その一方でボスニアン・レインボウズの活動も継続していくと矛盾がある発言をしている。また、ロドリゲスとビクスラーは、バンドを解散する直前に1993年から2001年まで活動したパンク・バンドのアット・ザ・ドライヴ-インとしてコーチェラなどに破格のギャラで出演しており、再結成を予感させていただけに、今回の新バンド結成を意外に感じている人も多いようだ。

エイミー・マンとテッド・レオがパワーポップ・デュオ、ザ・ボース(The Both)を結成した。デビュー・アルバムはマン主宰のレーベルSuperEgoから4月15日にリリースされる。また、アルバム収録曲「ミルウォーキー」はすでにオンラインで聴くことができる。

著名なジャズ・ベーシスト、チャーリー・ヘイデンの3人の娘たちから成るザ・ヘイデン・トリプレッツがデビュー・アルバムをリリースする。ライ・クーダーがプロデュースを手がけた今作は、ジャック・ホワイト主宰のサード・マン・レコードから2月3日にリリースされる。彼女たちのサウンドはボーカルハーモニーが入ったアメリカーナの様だと言われている。

コクトー・ツインズのサイモン・レイモンドとステファニー・ドーセンが新しいデュオ、スノーバードを結成した。デビュー・アルバム『ムーン』には、レディオへドのエド・オブライエンとフィル・セルウェイ、そしてミッドレイクのエリック・プリドがゲスト参加している。

多大な尊敬を集めるハワイアン・プロサーファー/ミュージシャンのマクア・ロスマンがハワイの音楽シーンを牽引するレコード・レーベルMountain Apple(マウンテン・アップル)と契約を交わした。積極的に音楽活動に関わってきたマクアは、最近ドノヴァン・フランケンレイターとツアーを行なった他、来月にはペッパーとのアメリカ西海岸ツアーが予定されている。また、同様にサーファー/ミュージシャンのジョン・“フェルディー”・フェルドマンとコラボもしている。2歳の時に父親とサーフィンを始めたマクアは、13歳でトーイン・サーフィンを始め、18歳で優勝したビラボン・コンテストでは6mのビッブウェーブに乗った。