ニューオリンズのファンクバンド、ギャラクティックが素晴らしいシングル「Big Whiskers」をリリースした。このバンドはフジロックにも数回出場するなど、ヘヴィにツアーを敢行することでも知られているが、大晦日は故郷に戻って伝説のライブハウス、ティピティーナズでライブを行う。
ティピティーナズは1977年に開店、以来名だたるミュージシャン達がここでライブアルバムのレコーディングを行っている。ザ・ネヴィル・ブラザーズ、ドクター・ジョン、ボネラマ、プロフェッサー・ロングヘア、フィッシュ、ジェーンズ・アディクション、そしてギャラクティック自身がそのミュージシャンのリストに名を連ねている。ティピティーナズのオーナーは何度か変わっている。すぐ前のオーナーが2018年12月にライブハウスとは関連のない経済的な問題からギャラクティックに店を売り、以来バンドはこの場所をより良くしてきた。
日本の楽曲、2曲がネットでセンセーションを巻き起こしている。
1曲は藤井風の「死ぬのがいいわ」で、これはティックトックで大評判となり、世界中の人が踊る、ファンビデオを作る、歌詞を翻訳して「歌ってみた」バージョンを作るなどで36万以上のティックトックバージョンが作られている。
同じくティックトックで吹き上がっているのはインドネシア人アーティスト、アユバ・リツキ―が歌う「Kimi No Toriko」だ。これは、日本人アーティストのシナモンズとイヴニング・死ねばがコラボした「Summertime」という曲のカバー。アユバ・リツキ―のバージョンは、カバーというよりリミックスといった方が正確かもしれない。こちらも非常に人気が高く、スポティファイで1700万回以上のストリーミング数を数え、原曲の「Summertime」のストリーミング数を5300万回まで押し上げた。
60年代の大人気TV番組がリバイバルで人気を博している。1964年から66年に放送されていた「アダムス・ファミリー」は、1938年に始まったチャールズ・アダムスの漫画を原作にした大ヒット作品だ。おどろおどろしくて奇妙な家族が実際に放映されたのは数年に過ぎないが、その後何度も再放送を重ね、他の番組やアニメ、映画、ビデオやキャラクターグッズなどに多面展開した。一番最近のリバイバルはネットフリックスの「Wednesday」で、10代の代わった少女、アダムス一家のウェンズデイ・アダムスをジェナ・オルテガが好演している。このシリーズは、ウェンズデイが、81年のカルト曲と言われるクランプスの「Goo Goo Muck」に合わせて踊る予告編で大いに注目を集めた。
アダムス一家とほぼ同時に現れて同じく大人気だったのがもう一つの怪物一家番組がマンスターズだ。近年、ホワイト・ゾンビというバンドの元メンバーで、2000年以降ホラー映画の監督をしていたロブ・ゾンビが自ら脚本・監督を務め再構築した映画が発表された。が、評判はそこそこ、といったところ。
リッキー・リー・ジョーンズやレス・クレイプールのパーカッショニストでビブラフォン奏者のマイク・ディロンが現在北米を彼のバンド、パンカデリックでツアー中だ。バンドがパンクとファンクの両方の要素を持っていることからこの名前になったという。ベーシストとしてはディロンの長年のコラボレーターであるブライアン・ハース、ドラムにはビヨンセやダムスタファンク、日本人ベーシストのケンケンらとの演奏で有名なニッキー・グラスピーが参加している。
サンフランシスコをベースに活躍するロッカー、ホット・ランドリーは彼らのアルバム『Pawn Shop Gold』でのソニックスやティナ&アイク・ターナーのカバーを曲の間に挟むなどの演出で知られているが、今年は年末までの長期ツアーを敢行中だ。
モータウンとMC5の混ざったような、とよく評される彼らは、アドレッセンツ、ザ・ウーグルス、ロス・ストレイトジャケッツら多くの著名バンドとの共演でも知られていて、ロドニー・ビンゲンハイマーやリトル・スティーブンズ・アンダーグラウンドなどのラジオ番組でも頻繁に取り上げられている。
あり得そうもない事に思えるが、スラッシュメタルバンドのパンテラが再結成した。このバンドは1992年にリリースしたアルバム『Vulgar Display of Power』以降、90年代に絶大な人気を誇ったが、ドラッグの過剰摂取からさまざまなトラブルが発生、2001年に活動停止となった。悲劇的なことに、バンドのギタリストだった「ダイムバッグ」ダレル・アボットが次に参加したバンド、ダメージプランのライブ中にステージに狂った侵入者が飛び込み、殺害された。彼の兄弟でドラマーのヴィンセント・「ヴィニー・ポール」・アボットは2018年に心臓の異常から他界。パンテラのリバイバル・バージョンには彼らの最高の時期にメンバーだったフィル・アンセルモがボーカル、ベーシストはレックス・ブラウンに加え、オジーのギタリスト、ザック・ワイルドとアントラックスのドラマー、チャーリー・ベナンテが参加する。
日本発、ガールズ・ロック・トリオのジニー・オップスが新EP『HInoaruku』をサン・レーベルのサード・ストーンから発売、オンラインとCD両方で提供する。北米では著名なラジオステーションのWFMUがインタビューを予定していて、こちらもオンラインで試聴可能。このラジオステーションには多くの著名なファンがいて、その一人があの漫画、シンプソンズの作家マット・グレイニング、他にも映画監督のジム・ジャーミッシュがいる。ジニー・オップスはテキサス州オースティンで開催されるSXSWでの演奏や全米ツアーなどでアメリカでもそれなりに知られた存在だ。
トッド・ラングレンがチーフという会社と一緒に、自分のマリファナブランド「Hello, It’s Weed」を立ち上げようと動いているという。ブランド名は、彼の1973年のヒット曲「Hello, It’s Me」から取っている。
スーパードラマーと呼ばれるスタントン・ムーアは、ニューオリンズのファンクバンド・ギャラクティックのメンバーとして名高いが、多くのサイドプロジェクトにも参加している。例えばイヴァン・ネヴィル、エリック・リンデルやロバート・マーキュリオとのドラゴン・スモーク、チャーリー・ハンター、スケーリックとやっているガラージ・ア・トロワ、レス・クレイプール、マイク・ディロン、スケーリックと一緒のバスタード・ジャズなど。さらに今回、彼は面白いプロジェクトを開始。クラズノ/ムーア・プロジェクトと呼ばれるそれは、ギターにジャズ・ファンクバンドであるソーライヴのリーダー、エリック・クラズノとの共同プロジェクトだ。彼らは来年の3月にUSツアーを行う予定だが、さらにアルバム制作もほのめかしている。
ジャパンインディーズ映画祭が11月22日に開始、29日まで開催され、すべての映画がオンラインで無料鑑賞できる。今回の参加作品は23作品で、一番視聴される回数が多かった映画が観客賞を受賞することになり、11月28日に代官山のシアターズ・ギルドでのイベントで上映される。詳細はこちらを確認してほしい。 https://soundsurf.com/station/