プラキシス・キャピタルの新たな投資を受け、韓国・ソウルをベースにするビヨンド・ミュージック社は4億ドルの資金を得てアジアでのカタログ(楽曲)取得と、購入から構築という彼らのビジネスモデルを補強するために拡張中だ。会社の発表によると、すでに70ほどの音楽資産を取得し、2万7千曲を手中に収めているという。

偉大なるサックス奏者のスケーリックが、謎の、しかし深刻な首と肩の痛みに悩まされ、プロジェクト・バンド、サウンド・サイファー(アルバム『All That Syncs Must Diverge』をリリースしたばかり)、ジャム・クルーズ、またニューオリンズ・ジャズ&ヘリテージ・フェスティバルでのライブや、レス・クレイプール(プライマス)とのツアー(こちらのメンバーにはショーン・レノン、パーカッショニストのマイク・ディロンや元ケイクのドラマー、パウロ・バルディも参加)もキャンセルせざるを得ない状態になっている。ファンドレイジングサイトのGoFoundMeでは、ライブなどができない間のスケーリックをサポートし、医療的な解決を助けるためのページが立ち上がっている。彼が早く完治することを祈る。

アメリカ人俳優のダニー・マスターソンが強姦罪で2件有罪となった。他の女性達からも、薬を使われた、強姦された、暴力を振るわれたなどで告発されている。この件は、ダニーがカルト宗教であるサイエントロジーの信者であることからも物議を醸している。サイエントロジーは、信者同士での告発を禁じているが、マスターソンを告発した女性等のうち3名は元信者で、そのうちの一人は、これも元信者のマーズ・ヴォルタのヴォーカル、セドリック・ビクスラー=ザヴァラの妻クリッシー・カーネル=ビクスラーだ。日本ではあまり名前が知られていないかもしれないが、マスターソンはテレビドラマや映画に多く出演しており、そのうち最も著名なのはアシュトン・カッチャーと共演したテレビドラマ『ザット70’sショー』だ。マスターソンは、あのママズ・アンド・パパズのリーダー、ジョン・フィリップスの娘、ビジュー・フィリップスと結婚している。

日本のエレクトロニック・アーティスト兼プロデューサーの aus が新譜『Everis』をイギリスのインディレーベル、ロー・レコーディングスから出版した。
このアルバムは、これ以前のausのアルバムと同様に国際的に関心を集めており、J-Wave,アメリカやイギリスではBBCなどのラジオで取り上げられている。5月26日から28日開催の、愛知県の森・道・市場フェスティバルにもボーディーズ、フジファブリック、グリム・スパンキー他と出演予定だ。

著名な活動家、かつプロデューサーのクリス・ストラックウィッツが5月5日に91歳で他界した。
ドイツに生まれたストラックウィッツは、第二次世界大戦前にアメリカに逃げて来た。アメリカのルーツ・ミュージックに興味を持った彼は、1960年、サンフランシスコのベイエリアにある町、エル・セリートにアーフーリーレコードというレーベルを立ち上げる。ライトニン・ホプキンズ、アール・フッカー、マンス・リプスコムやミシシッピ・フレッド・マクドウェルら、数々のブルースやフォークのアーティストを録音。アーフーリーは他にも、ビッグ・ジョー・ターナーやローウェル・フルサムなどのR&Bの偉人のリ・イシュー盤なども手掛けている。他にもルーツミュージック、ザディコの偉人と呼ばれるクリフトン・シェニエのヒットも手掛けている。
音楽マニアからは賞賛されるこれらの音楽は、着実に売れてはいたが、少額、また売れ行きもしっかりとあったものの、動きはゆるやかだった。レーベルのを保つためには2つの手法が取られていた。ストラックウィッツは地域のバンドだったカントリー・ジョーやザ・フィッシュの録音や発行を手掛け、それが確実な利益となったこと。また、彼はローリング・ストーンズのブルーストラック「You Gotta Move」にフレッド・マクドウェルの部分権利を認めさせる ことができた。彼の膨大なコレクションを散逸させないため、2016年にはアメリカ政府の博物館兼教育組織であるスミソニアン協会がコレクションを取得したと発表した。
レコード・レーベル以外にも、ストラックウィッツはダウン・ホーム・ミュージックというレコードショップを経営。こちらはまだ営業を続けている。偉大なる音楽人、クリス・ストラックウィッツ、安らかに。

ホットワイヤ・KKが誇る、ロサンゼルスをベースに活躍するオルト・ロックシンガー・ソングライター、リトル・ルナを紹介したい。
彼女は月と強い結びつきを感じており、そこからステージネームを取っている。強く影響を受けているのは70年代の音楽とカルチャー。よくフリートウッド・マック、スティービー・ニックス、ボン・イヴェールやジェームズ・ブレイクらを影響を受けたアーティストとして挙げている。7年以上もヨガのインストラクターをしており、瞑想にも着想を得ているそうだ。音楽を作り始めたのはわずか2年前ということだが、彼女の曲「Touch & Go」「Last Time」や、オルタナ・ロックグループのジャガー・ツインや、プラチナムセールスを誇るファイブ・セカンズ・オブ・サマーとの共演からも注目を集めている。

自閉症のリサーチのためのチャリティコンサート2つが話題になっている。スティーヴン・スティルスと妻のクリステンは「Light Up the Blues」というイベントをオーガナイズ、ロサンゼルスのグリーク・シアターで開催予定だ。スティルスにはすでに成人しているが、自閉症スペクトラムの息子、ヘンリーがいる。著名な友人等のうち、ニール・ヤングも参加するが、彼は2019年以来ライブに参加するのは初めて。スティルスの二人の息子、クリスとオリヴァー、またウィリーの息子、ルーカス・ネルソンやデイヴィッド・クロスビーの息子ジェイムズ・レイモンドも演奏した。ジョー・ウォルシュも登場。
5月19日に開催されたのは、当時ロック・ライターで、現在はパティ・スミスのギタリストとして知られるレニー・ケイが作ったコンピレーションアルバム『Nuggets』の発売50周年を祝うイベントだ。参加者としては、アルバムにフィーチャーされたバンドのメンバーで、当時ラブ、ザ・チョコレート・ウォッチバンド、ザ・シーズ、ザ・リーヴスやエレクトリック・プルーンズに加え、ザ・カーズ、REM、ゴーゴーズらも参加した。

ビッグ・ヒット・エンターテイメント社により育成された韓国の女性アイドルグループ、ニュージーンズが2022年7月のデビュー以来、爆発的な人気を博している。「Ditto」「Hype Boy」などのヒット曲がある他、ファッション大使としても活躍しており、ディオールはへリン、グッチとアマニ・ビューティはハンニ、シャネルはミンジ、ルイ・ヴィトンとバーバリーはHyeinを起用。グループとしてもLevi’s やコカ・コーラ、LGとの契約が発表されている。メンバーは全員18歳くらいだ。

カリフォルニア生まれでメキシコ育ち、メキシコ人として活動する若い黒人シンガー、アロエ・フェニックスは英語とスペイン語両方で歌う。彼女のユニークなサウンドは、エイミー・ワインハウスやポーティスヘッドと並び称される。彼女のトラック「Space + Space」は日本でもすでに話題になっている。

カルト・映画製作者のジョン・ウォーターズがMCを務める、カリフォルニア州オークランドで毎年開催されるモスウッド・メルトダウン・フェスティバルが7月2日~3日のラインアップを発表。ル・ティグラ、ブラットモバイル、J.J.ファド、ESGと日本の5678他が出場の予定。