ラスベガスで現地時間5月17日に開催された〈ビルボード・ミュージック・アウォーズ 2015〉では、テイラー・スウィフトが最優秀アーティスト賞をふくむ計8部門の最多受賞を成し遂げた。ワン・ディレクションは最優秀グループ賞と最優秀ツアーアーティスト賞を受賞。クロージングをつとめたカニエ・ウエストはカーダシアン一家のメンバーのアナウンスでステージに登場し、大量の花火を用いた自意識過剰かつ放送禁止用語だらけのパフォーマンスで厳しく批判された。

ロザンヌ・キャッシュの素晴らしいアルバム『ザ・リバー・アンド・ザ・スレッド』が今年のグラミー賞で最優秀アメリカーナ・アルバム賞と最優秀ルーツ・パフォーマンス賞、そしてシングル「フェザーズ・ノット・ア・バード」が最優秀ルーツソング賞を受賞した。伝説のカントリーシンガー、ジョニー・キャッシュの娘であるロザンヌは若い頃から音楽の才能を発揮し、1981年に初のシングル1位を獲得。これまでに12回もグラミー賞にノミネートされていたにも関わらず、受賞は1986年のみにとどまっていた。満を持したロザンヌの受賞を心から祝福したい。

映画『博士と彼女のセオリー』のサントラを手がけたアイスランド出身の音楽家ヨハン・ヨハンソンが、第72回ゴールデン・グルーブ賞オリジナル作曲賞を受賞した。同映画は、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と彼の元妻ジェーンの関係を描いた伝記映画。公開第1週目の興行収入はわずか20万7千ドルだったが次第に口コミで評判が広まった結果、4600万ドルを記録する大ヒット作に。現在も動員数を更新中で、今年度のアカデミー賞候補作になると予測されている。サントラはオーケストラサウンドにエレクトロニックとアコースティックの要素がミックスされた素晴らしい内容となっている。ヨハンソンはアイスランドのアート集団/レコードレーベル「キッチン・モーターズ」の創始者としても知られる。

2015年度ロックの殿堂入りを決める投票で、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドが現在4位にランクインしている。シカゴ出身のハーモニカ奏者のポール・バターフィールドが1963年に結成した同バンドには、ギタリストのマイケル・ブルームフィールドとエルヴィン・ビショップ、キーボード奏者のマーク・ナフタリン、ハウリン・ウルフのリズムセクションを担っていたサム・レイとジェローム・アーノルドが加入し、後に追加されたホーンセクションにはデヴィッド・サンボーンなどが名を連ねた。ヒット作には恵まれなかったものの高い評価を受けたバンドは、当時は珍しかった白人と黒人メンバーの混合編成でブルース・ミュージックを復活させ、ボブ・ディランのバックバンドとしても重要な役割を果たした。ブルームフィールドは1981年、バターフィールドは1987年にいずれも麻薬摂取が原因で他界。エルヴィン・ビショップは、最近では映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサントラにフィーチャーされたことでヒット曲「フールド・アラウンド・アンド・フェル・イン・ラヴ」の人気が再燃するなど、順調に音楽活動を続けている。

1976年4月23日にリリースされたラモーンズのデビュー・アルバム『ラモーンズ』が、リリースから38年も経過した今年になってゴールドディスクを受賞した。音楽史上最大の影響力を持つパンク・バンドとして知られるラモーンズだが、ベスト盤『ラモーンズ・マニア』以外の作品がゴールドディスクを受賞するのは今作が初めてである。このデビュー・アルバムはわずか6,400ドルの低予算と7日間という超短期間でレコーディングされ、象徴的なアルバムジャケットにはバンドの友人の写真家ロベルタ・ベイリーが125ドルの報酬で撮影した写真が起用された。リリース当時はチャート111位にとどまり、商業的な失敗作と見られていた。

ハワイのグラミー賞と言われる、第37回〈ホク・アワード〉が5月24日に開催された。

〈ビルボード・ミュージック・アワード2014〉授賞式がラスベガスで現地時間5月18日に開催された。今年はジャスティン・ティンバーレイクが主要7部門を制覇し、ロードは最優秀新人アーティスト賞および「ロイヤルズ」で最優秀ロックソング賞の2部門を受賞した。また、新曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」を披露したホログラムのマイケル・ジャクソンは確かに感動的ではあったが、 “マイケルが初音ミクの様にアニメ化されている”とツイッターで抗議する者や、新曲がマイケルの過去の傑作の足元にもおよばないと批判する声も目立った。マイリー・サイルスは近々一緒にレコーディングを行なうフレーミング・リップスと共演した。今回の授賞式で最も不評だったのは司会をつとめたケンダル・ジェンナーだ。カーダシアン一家に密着したくだらないリアリティ番組への出演で有名になっただけで音楽に全く縁がないジェンナーは、授賞式の最初から最後までおざなりではしょった司会を貫き通した。

3月30日にカナダ版グラミー賞〈ジュノー賞 2014〉の授賞式が開催された。今年大きな勝利を収めたのは、年間最優秀グループ賞、およびヒット曲「クローザー」で最優秀シングル賞を獲得したレズビアンの双子姉妹テガン&サラだ。プロデューサー/ミュージシャンのグレッグ・カースティンと共作した「クローザー」はラジオでヒットし、『グリー』のエピソードにもフィーチャーされたことで注目を集めた。また、ヒット映画『LEGO® ムービー』のテーマ曲に起用されたテガン&サラの「エヴリィシング・イズ・オウサム」も現在人気が急上昇中だ。その他には、アーケイド・ファイアが『リフレクター』で最優秀アルバム賞を受賞。“ファン投票”で1位を獲得したジャスティン・ビーバーの名前が発表されると会場からブーイングが起こった。授賞式を欠席したジャスティンの代理人としてカナダの女子カーリングチームのメンバーが賞を受理した。

2014年のアカデミー賞授賞式では、長編アニメ賞を受賞したディズニーのヒット映画『アナと雪の女王(原題:Frozen)』のテーマ曲「レット・イット・ゴー」のパフォーマンスが行なわれた。41カ国語でレコーディングされた同曲の日本語バージョンは松たか子、韓国語バージョンはSISTARのヒョリンが歌っている。

現地時間3月2日に行なわれた第86回アカデミー賞授賞式は大成功を収め、世間はこの1週間ずっとアカデミー賞関連の話題で持ち切りだった。主な話題は受賞者、女優たちの華やかなドレスと美容整形手術に集中したが、最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞した『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち(原題:Twenty Feet From Stardom)』もメディアに大きく取り上げられた。同作品には、リサ・フィッシャー(ローリング・ストーンズ)、メリー・クレイトン(ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」のレコーディングに参加)、ダーレン・ラヴ(フィルスペクターがプロデュース)、クラウディア・リニア(イケッツ、ジョージ・ハリソン、ジョー・コッカー、ハンブル・パイで活動し、ローリング・ストーンズの「ブラウン・シュガー」のインスピレーション源という噂も)らが出演している。製作を手がけたのは、A&Mレコードから長年に渡って多数のヒット曲を世に送り出した映画/TVプロデューサーのギル・フリーゼン。フリーゼンは2012年に白血病で他界したが、ベッドに寝たきりになっても見舞いに訪れた音楽業界の友人らに製作面での様々な問題を解決するための協力を要請し作品を完成へと導いた。2013年のサンダンス映画祭でのプレミア上映を楽しみにしていた彼の姿がアカデミー賞授賞式になかったことは非常に残念だが、天国で今回の受賞を祝福していることだろう。