音楽のランドマークと言っても過言でないタワーレコード・サンセットが解体、8月にはシュプリームのストアとして開店する。タワーのサンセット・ストアは南カリフォルニア最初の店舗として1971年に開店。サンセット大通りに面し、ウィスキー・ア・ゴーゴーなど数多くのライブハウスに近接、レインボウ・バー・アンド・グリル、「ザ・ライオット・ハウス」のニックネームを持つハイアットホテルも近く、サンセット通りの音楽シーンの錨として機能していた。このストアは、レコードや媒体音楽だけを扱う店舗がまだ非常に少なかった時代に約2640平方メートルの床面積を誇り、1974年にはギネスの世界記録にも掲載された。この店舗の数多くのセレクションを目当てに、様々なジャンルを愛好する音楽ファン(ロックスター、音楽業界の人々、様々なセレブも含む)が詰めかけた。エルトン・ジョンはこの店舗に行くと何時間も探索し、100枚単位でアルバムを購入することで知られていた。店舗には、その後クラシック音楽やビデオのコーナーも併設。多くのスタッフはミュージシャンで、アクセル・ローズ、スラッシュ、デイヴ・グロール、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのデイヴ・クシュナーやプロデューサーのシルヴィア・メッセーらも一時ここで働いていた。ハリウッドのど真ん中に位置することから、歴史的なインストアライブも多く開催している。2006年にタワー・レコードが清算されたことにより閉店。閉店後、短期間服屋として開店した。その後、音楽イベントや映画のために、昔のタワーレコードと同じようにペイント直しされた。ギブソン・ミュージック・インストゥルメントが長期間リースの契約を締結したが、開示されない理由によりすぐ解除。近年、映画『Pam & Tommy』の撮影用にタワーレコードに見えるよう化粧直しをされた。世紀のレコードストアの一つだった。RIP

Winter Olympicsの驚き

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閉幕したばかりの冬のオリンピックだが、特にフィギュアスケート部門では大きな驚きがあった。ロシアのスーパースター、カミラ・ワリエワがドーピング検査で陽性となり、羽生結弦選手が不運な転倒、アメリカのヴィンセント・ジョウは閉会式から締め出し、ネイサン・チェンの記録に残るショートプログラムの演技などがあげられる。ロックファンにとっては、アレクサンドラ・トゥルソワによる、ストゥージスの「I Wanna Be Your Dog」に合わせての演技が特別な瞬間だったと思う。本当に素晴らしい演技だったにも関わらずの2位という評価に対して彼女は激怒し、スケートなんか大嫌い、もう二度と滑らないと叫んだ。

サマーソニックが8月20日から21日の最初のランナップを発表した。ラインナップには1975、ポスト・マローン、カーリー・レイ・ジェプソン、マネスキン、リンダ・リンダス、ストラッツ、ワンオクロック、オフスプリング、フィッシュボーン、そしてプライマリー・スクリームが含まれる。詳しい情報についてはサイト <www.summersonic.com> を確認してほしい。

チャイが北米16日間のツアーを開始した。オークランドのフォックス・シアターでは二晩続けてのショーで、日系アメリカ人のシンガー、ミツキが前座を務める。この回のチケットはもう何か月も前から完売している。他にも、アメリカでは春ねむりが3月に延期されていたツアーを開始する。こちらのチケットもとっくに完売している。

アメリカで最も視聴率の高いTVプログラムはスーパーボウルで、そのハーフ・タイム・ショーは音楽の一大イベントだ。今年のイベントはスヌープ・ドッグ、ドクター・ドレ、メアリー・J・ブライジ、50セントとエミネムなど、ラップのトップスターが次々登場した。ラップ・ファンはスーパースターのラインナップに狂喜乱舞。スヌープについてはこのところ、伝説的なデス・ロウ・レコードを買収したことでニュースにもなっていた。このレーベルは1991年創立。トゥーパック、ドレやスヌープによる大成功の後、創立メンバーの一人、スージ・ナイトが暴力事件や発砲事件に関わっていたことから収監され、そこから複雑な事情を経て調子を下げ、破産していた。

オペレーション・アイヴィーの再結成の噂がかしましい。オペレーション・アイヴィーは1987年から89年の間、カルフォルニア州バークレーをベースに活躍したスカ・パンクバンドだ。グリーンデイのキャリアを立ち上げたルックアウト・レコードと契約していた。バンド解散後、メンバーのティム・アームストロングとマット・フリーマンはランシッドというバンドを立ち上げ人気を博した。ランシッドもたまにオペレーション・アイヴィーの曲をライブ演奏などしていたが、他にもゴールドフィンガー、バック・オー・ナインやグリーンデイもカバーしている。再結成の噂だけは何度も公的な場所でも話があったが、2月5日、アームストロングとフリーマンがザ・スペシャルズのバックバンドで参加していた際、オペレーション・アイヴィーのメンバーだったジェシー・マイケルスが参加参加してオペレーション・アイヴィーの曲「Sound System」を演奏したことで、次もあるのでは?と期待が高まっている。

ジェスロ・タルの新譜『The Zealot Game』がUKチャートで9位となった。彼らが過去50年間、チャートのトップ10入りを果たしていないこと考えると快挙だ!また、彼らはクリスマスアルバム以外のスタジオアルバムをリリースしたのも20年ぶりとなる。このバンドのサウンドは非常にユニークで、フォーク、ロックとプログレロックが混ざったような独特の音質となっている。

また特筆すべきは、リーダー兼ボーカル兼フルート奏者のイアン・アンダーソンが唯一の創立メンバーで、他のバンドメンバーは入れ替わりが激しいことだ。このアルバムの歌詞は非常に道徳的で、宗教アルバムではないものの、多くの聖書にまつわる引用がある。このアルバムの最初の曲は「Mrs. Tibbets」で、曲の一部は広島に原爆を落としたパイロットのポール・ティベッツの妻と、ポールが自分の愛機の名前を取った母、エノラ・ゲイについてとなっている。

レス・クレイプールは相変わらず活動的で、ワイルドな音楽を作り続けている。4月28日にはニューオリンズでジャズ・バスタードというライブを開催、このライブにはバンドメンバーとしてギャラクティックのドラマー、スタントン・ムーア、パーカッショニストのマイク・ディロン、サックスの悪魔スケーリックが参加の予定だ。ニューオリンズの後はプライマスの長期USツアーが予定されていて、ラッシュのアルバム『A Farewell to Kings』を全部演奏の予定。ディロンとスケーリックは以前もクレイプールのソロアルバムやツアーに2回参加している。