5月27日(日)に開催されたハワイのグラミー賞、ナホク・ハノハノ・アワード授賞式でハワイ島ヒロ出身のクアナ・トレス・カヘレが5部門受賞という快挙を成し遂げた。クアナが受賞したのは、最優秀男性ボーカル賞、最優秀ハワイアン・アルバム賞、最優秀楽曲賞(「ナー・バケロス」)、最優秀ライナーノーツ賞、最優秀アルバム賞。フラダンス愛好家の間で絶大な人気を誇るトラディショナルなハワイアン・バンド、ナ・パラパライの創設メンバーとして最も知られるクアナは、現在も唯一のオリジナル・メンバーとして活動中。ナ・パラパライの最新アルバム『Ha’a』は6月26日にリリースされる。今年のホク・アワードのその他の受賞者は以下のとおり。

・ 最優秀女性ボーカル賞:ナタリー・アイ・カマウウ(『A』)
・ 最優秀新人賞:スター・カラヒキ(『ソルト』)
・ 最優秀ハワイ語パフォーマンス賞:「フラ」、ロバート・カジメロ
・ 最優秀インストゥルメンタル・アルバム賞:『ピース・ラブ・ウクレレ』、ジェイク・シマブクロ
・ 最人気エンターテイナー賞(一般投票):ジェイク・シマブクロ

ロンドン西部のギャングをシリアスなタッチで描いた英TVドラマ『トップ・ボーイ』のサウンドトラックを手がけたブライアン・イーノが、英国アカデミー賞のオリジナル音楽賞を初受賞した。英国アカデミー賞は、BAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)がその年のテレビ、映画、テレビゲームに関連した功績に対して授与する賞だ。

ハワイのスター、ナ・パラパライがニュー・アルバム『Ha’a』を6月26日にリリースする。バンドのリーダ、クアナ・トレス・カヘレは今年のホク・アワードの最多10部門にノミネートされている。ホク・アワード授賞式は5月29日に開催される。

14日に開催されたロックの殿堂式典に、殿堂入りを果たしたビースティー・ボーイズが出席した。現在、癌と闘病中のアダム・ヤウクは欠席したが具体的な理由は明らかにされていない。メンバーのアダム・ホロヴィッツが家族、友人、ファンらにあてたヤウクからのメッセージを読み上げた。プレゼンターをつとめたのは、ビースティー・ボーイズがリック・ルービンにデモを聴かせたのをきっかけにDef Jamと契約したLL・クール・J(ちなみに、この当時ルービンはニューヨーク大学の学生寮内の自室をDef Jamのオフィスにしていた)。そして、1987年にビースティー・ボーイズのツアーでオープニングをつとめて客層の拡大に貢献したパブリック・エナミーのチャック・Dだ。アディダスのグリーンのトラックスーツをまとったキッド・ロック、ブラック・ソウト、トラヴィー・マッコイらがビースティー・ボーイズ・メドレーを披露し会場を盛り上げた。

1976年に他界したブルース・ギタリストのフレディー・キングへのトリビュート・パフォーマンスでは、ZZ・トップとデレック・トラックスがキングの曲を熱唱。ブラッディーマリーが一番の好物と言われるほどの大酒飲みだったキングは42歳という若さで他界した。しかし、彼の残した作品はエリック・クラプトン、ジェク・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーンをはじめとする数多くのギタリストに大きな影響を与えてきた。

ドノヴァンとプレゼンターのジョン・メレンキャンプ(聴きこんでボロボロになったドノヴァンのアルバムを持参)は、日本のゴールデン・カップスなど多数のアーティストにカバーされてきたドノヴァンの人気曲「シーズン・オブ・ザ・ウィッチ」を共演した。

ロックの殿堂入り式典が4月14日(土)に開催される。今年殿堂入りを果たしたアーティストのプレゼンターには、コメディアンのクリス・ロックがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、スティーヴン・ヴァン・ザントが再結成したフェイセズ(残っているオリジナル・メンバー全員が出席の予定) 、グリーン・デイがガンズ・アンド・ローゼズ(一部のオリジナル・メンバーと新メンバーが出席するが、リーダーのアクセル・ローズは欠席)、チャック・DとLL・クール・Jがビースティー・ボーイズ、ジョン・メレンキャンプがドノヴァン、ZZ・トップがフレディー・キング、キャロル・キングがドン・カーシュナー、ベット・ミドラーがローラ・ニーロに決定している。

今時の若者にはほとんど知られていないかもしれないが、60年代に大人気を博したイギリスのシンガーソングライター、ドノヴァンは当時ボブ・ディランのライバルと見なされていた存在だった。1973年に武道館公演を行なったドノヴァンは、次々と世界的ヒット曲を生み出し、多数の人気アーティストが彼の曲をカバーしてきた。「シーズン・オブ・ザ・ウィッチ」はアル・クーパー、ブライアン・オーガー、ドクター・ジョン、ゴールデン・カップス、ホール、ジョーン・ジェット、ルー・ロウルズ、テリー・レイド、ヴァニラ・ファッジらがカバー。また、「ファット・エンジェル」はジェファーソン・スターシップ、「ヘイ・ジプ」はアニマルズ、「メロー・イエロー」はハービー・マン、「ミュージアム」はハーマンズ・ハーミッツ、「ウェア・ユア・ラヴ・ライク・ヘヴン」はアーサー・キット、「ゼア・イズ・ア・マウンテン」はオールマン・ブラザーズ(「マウンテン・ジャム」に改題)にそれぞれカバーされてきた。

アクセル・ローズが、今年のロックの殿堂授賞式を欠席し、ガンズ・アンド・ローゼズのメンバーとしての殿堂入りを拒否する内容の長ったらしい声明文を公表した。その理由については詳しく説明していないが、どうやら一部のオリジナル・メンバーが気に食わないから嫌だ、というのが声明文の要点のようだ。アクセルはこの間まで授賞式に出席する意志があることを示唆していた。現在、自分以外は新メンバーをいれたガンズを率いるアクセルだが、最近リリースしたアルバムは、超大ヒットを記録したデビュー・アルバムと比較すると雀の涙ほどしか売れず、ライブ公演も過去のヒット曲を中心とした内容で行なっている。

ロッド・スチュワートが、4月14日に米クリーブランドで開催されるロックの殿堂式典でフェイセズと1夜限りの再加入パフォーマンスを行なう。今年ロックの殿堂入りを果たしたフェイセズのメンバーがロッドとライブを行なうのは、1993年にロッドがブリット・アワードで特別栄誉賞を受賞した時のステージ以来。ロッドをフェイセズ再結成に参加させるこれまでの試みは、ロッドがメンバーの誰よりも大きい報酬額を要求したため全て失敗に終わっていた。

SXSWでプリミア上映されて高い評価を集めたボブ・マーリーの新作ドキュメンタリー映画『マーリー』(2時間30分)について、多数の人々がレゲエ・スターの素顔に迫った最高傑作という感想を寄せている。アカデミー賞受賞歴を持つケヴィン・マクドナルド監督による今作は、マーリーの家族、助言者だったクリス・ブラックウェル、バンド仲間のバニー・ウェイラー(もう1人のバンド仲間、ピーター・トッシュは1987年に殺害された)、プロデューサーのリー・ペリーらの協力の元に製作された。正式な全米公開は4月20日からスタート。SXSWのフィルム・フェスティバルでは授賞式も開催され、バトルズの「マイ・マシーンズ」のPVが最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞した。

クアナ・トーレス・カヘレは、これまでにホク・アワードで最優秀ボーカリスト賞、最優秀楽曲賞(「ナ・ヴァケーロス」)、年間最優秀アルバム賞(『カウナロア』)、年間最優秀エンターテインナー賞など5部門にノミネートされている。ソロおよびナ・パラパライのメンバーとしての活動で知られるクアナは、今年から日本で〈Hawaiian Music in Japan〉をスタートする計画だ。