2006年に閉店したロサンゼルスのサンセット・ブルバードにあった伝説のタワーレコード旗艦店(1974年には世界最大のレコードショップだった)が、1990年中盤の最盛期に見えるよう化粧直しをした。これは、近日公開の『Pam and Tommy』という女優パメラ・アンダーソンと、モトリー・クルーのドラマー、トミー・リーとの激動の関係を描いた映画にタワーレコードが登場するため。

バンド、ブラック・キーズのダン・オーバックが以前共演したニューオリンズの偉大なミュージシャン、ドクター・ジョンのドキュメンタリーをプロデュースする。ドクター・ジョンは本名マルカム・ジョン・レベナック・ジュニアで、16歳にしてプロのミュージシャン・プロデューサーとして活躍、高校生にしてクラブなどで演奏していた。最初はギタリストとして活動を始めたが、手を撃たれた後ピアノに転向。一時期薬物乱用で収監されていたが、出所後ロサンゼルスに移住し、セッション・ピアニストとして引っ張りだこになった。カーリー・サイモン、マリア・モルダー、リッキー・リー・ジョーンズ(彼とのデュエット「Makin’ Whoopee」で、ドクター・ジョンは6つ取ったグラミー賞の1つを獲得している)ら、ビッグ・ネームの後ろで演奏している。また彼はドクター・ジョンとしてニューオリンズのウィッチ・ドクター(土着の呪術医)兼ソロ・ピアノ・プレイヤーというキャラクターを確立。1973年に「Right Place, Wrong Time」で大ヒットを飛ばして以来、2019年に他界するまで人気のライブ・パフォーマーとして名を馳せている。

フランク・ザッパのドキュメンタリー映画『Zappa』が11月27日に公開された。フランク・ザッパと彼のオリジナル・バンド、ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションは1966年にアルバム『Freak Out』でデビュー。ザッパは多作の人で、デビュー以来ずっと自分専用のスタジオを維持、生前に60ものアルバムを発表。作風はロック・ポップ、ジャズ、クラシック、ドゥーワップ、R&Bやコメディのミックスだった。彼はまた、検閲・戦争・アメリカの教育制度などに対してきちんと批評する人間でもあった。また、自分を厳しく律し、煙草を離さず、酒はほとんど嗜まず、ドラッグはやらなかった。彼の作風が非常に複雑で奇妙だったり、挑戦的かつ素晴らしいものだったため、多くの人が彼がドラッグの影響で作曲していたと思っていたため、この事実には驚くものが多い。ザッパは1993年に52歳で、癌を患い他界している。この映画は彼の家族の協力の元制作されたため、フッテージの多くがプライベート・アーカイブからの貸与だという。世界中のザッパマニアにはたまらない作品だろう。

ジョニー・フリンが主役となる、デイヴィッド・ボウイの伝記映画『Stardust』。近年音楽系の伝記映画、特にクイーンとエルトン・ジョンの映画が大きな話題となっているが、『Stardust』のポテンシャルはそこまででもないようだ。ボウイの息子で映画監督のダンカン・ジョーンズがこの映画制作に反対し、ボウイの楽曲の使用許諾を出していないことが理由のひとつだ。確かにこの映画の舞台は1971年、ボウイの非常に困難の多かったアメリカ・プロモーション・ツアーの3週間で、ジギー・スターダストの大成功以前にフォーカスを当てているが、ボウイの楽曲が使用できないため、ヤードバーズの「I Wish You Would」やジャック・ブレルの「My Death」などカバー曲、スタイライズされた「Good Ol’ Jane」(これは明らかにベルベット・アンダーグラウンドの「Sweet Jane」の劣化版と言わざるをえない)などを使用するという。現在オンラインでトレイラーを見ることができるようだ。

 

有名俳優ウェンデル・ピアース(『The Wire』『Treme』などに出演)が、BBキングの伝記映画『The Thrill Is On』(BBキングのテーマソングとも言われる曲のタイトルを取っている)でBBキング役を射止めた。キングのバンドメンバー四人はそれぞれ自分の役でカメオ出演する予定。この映画はキングと若い白人ドラマーのマイケル・ザネティス(この映画のプロデューサー)との関係を中心に展開する予定。ザネティスはこの映画を元々「キングと私」と呼んでいたが、同じくキングの伝記映画を制作予定で、来年プリ・プロダクションに入るキングの管財人からの要望によりタイトル変更したという。

9月4日、ディズニーがビートルズのドキュメンタリー映画を北米とカナダでリリースする。日本でのリリース日程は未発表。映画のタイトルは『The Beatles: Get Back』で、『指輪物語』3部作、『ホビット』3部作で最も知られるピーター・ジャクソンがプロデュース。この映画には「レット・イット・ビー」のレコーディング・スタジオの様子など、未発表のフィルムがかなりの量で使われているという。ポール、リンゴ、オノ・ヨーコやオリヴィア・ハリソンの協力で作られた。

パパ・グロウズ・ファンクのドキュメンタリー映画『Do U Want It?』が、15のフィルム・フェスティバルへの出品の後、アップルTV、グーグル・プレイ、アマゾン、DVDで提供される。パパ・グロウズ・ファンクは伝説的なニューオリンズのバンドで、メイプル・リーフ・バーで長いこと演奏を担当していた。リーダー、ジョン・”パパ”・グロス率いるギタリストのジューン・ヤマギシ、サックス奏者のジェイソン・ミングルフドルフ、ベーシストのマーク・ペロ、ドラマーのジェフリー・”ジェリービーン”・アレグザンダーがメンバーとして活躍した。バンドは2013年に「無期限の休暇」に入ったが、メンバーは個々に活躍を続けている。グロスはリトル・フィートにビル・ペインの代役で入ったり、ドクター・ジョンのトリビュートをソロで行う他、ファンク・オン・ダ・テーブルのメンバーとして活動(ここにはジューン・ヤマギシ、ドラマーのニッキー・グラスピー(ビヨンセやダムスタファンクとの共演で知られる)、また日本からベースにケンケンも参加)。ファンク・オン・ダ・テーブルは3月に日本公演を開催、13日に下北沢ガーデンで、また京都や名古屋でのライブも決定している。

来年、カントリー映画のアウトローの代表格であるガイ・クラークのドキュメンタリーがリリースになる。ナレーションに起用されたのは『The Coalminer’s Daughter』でカントリーミュージックのスター、ロレッタ・リンを演じグラミーを受賞したシシー・スペイセク。

スポンジボブ・スクエアパンツもミュージカルとしてお目見えし、ケーブルチャンネルのニコロデオンが撮影、ライブで放映した。このショーは大評判となり、『ライオンキング』のミュージカルや『The LOGO Movie』などと比べられている。このミュージカルの曲として、ジョナサン・コールトンの「Bikini Bottom Day」やプレイン・ホワイト・Tの「BFF」、ジョン・レジェンドの「(I Guess)I Miss You」、ヨランダ・アダムスの「Super Sea Star Savior」やゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの「I’m Not a Loser」が採用されている。

世界的な大ヒット映画『プラダを着た悪魔』がブロードウェイ・ミュージカルになることがわかった。エルトン・ジョンが作曲を担当、2021年にデビューするという。2006年に公開されたオリジナルの映画は主演にメリル・ストリープ、アン・ハサウェイを配し、エミリー・ブラントの飛躍のきっかけともなった。世界興行収入3億2500万ドル、マドンナの「Vogue」やモビーの「Beautiful」、モシーン・ワーカーの「Tres Tres Chic」などを含むサウンドトラックも人気を博した。